2024年度共通テスト英語(リスニング)から見る、高1・高2生の学習指針

こんにちは。高山のぞみです。

今回は,2024年1月13日に行われた共通テスト英語(リスニング)の問題を分析し,高2生や高1生にどのような対策をしていけばよいかをお伝えしたいと思います。

2024年度共通テスト(本試験)の問題はこちらからダウンロードできるので、ぜひ実際に取り組んでみてください。

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2024年度 共通テスト[英語(リスニング)]の総評

大問数・設問数・スクリプトや選択肢の総語数などは,昨年から大きく変化はありませんでした。

注目すべき昨年からの変更点は,第4問A問18~21がグラフ内の穴埋め問題からイラストの並びかえ問題になったことです。ただし,この形式は2022年度にも出題されているため,過去問を解いていれば安心して取り組むことができたと思います。

全体的な難易度は昨年並みですが,第5問のワークシートが取り組みづらいと感じた人が多いと予想されます。

2024年度 共通テスト[英語(リスニング)]設問ごとの傾向

ここからは,それぞれの設問を見ていきましょう。

第1問 A:短文言い換え問題 B:イラスト選択問題

第1問は短文が読み上げられます。

Aは,例えばShall I buy …?のような英文が読み上げられるのに対し,The speaker is offering to buy …のように言い換えられた選択肢を選ぶ問題です。

またBは,the leaves are fallingのような進行形や最上級などを用いて描写されている様子にあてはまるイラストを選ぶ問題です。

両方とも,昨年と比べて内容や難易度の変更はありませんでした。
それぞれ,読み上げられた英文の音だけではなく,内容を理解することや,基本的なフレーズや文法知識が問われていました。

第2問 イラスト選択問題

第2問は,2人の2往復の会話が読み上げられ,その内容に当てはまるイラストを選ぶ問題です。

会話が進むにつれて選択肢を絞っていく必要があるので,音声が流れる前にイラストを「読んで」,それぞれにどのような特徴や違いがあるのかを確認しておきましょう。

今年度は,位置関係を問う問題が多く出題されていたため,in the front「前列」,under the computer「コンピュータの下」,a window table「窓際の席」などの場所を特定する表現を注意して聞き取る必要がありました。

このような位置を表す定番フレーズはリスニングに頻出ですので,音・意味とともに覚えておくようにしましょう。

第3問 会話文問題

第3問は,2人の2.5往復の会話が読み上げられ,その内容に関する問題に適した答えを選択する問題です。

事前に日本語で書かれた状況・問題文・選択肢を読み,会話のテーマや聞き取りのポイントとなる箇所を見つけておくことで,1回の読み上げにも対応できます。

今年度は,会話の冒頭で出てきた内容が否定されたり,前に出てきた内容をI’ll get thatやAfter thatのように受けて会話を進めるという,リスニングの定番の会話展開が多かった印象です。

どれも比較的解きやすい問題でしたが,問12は男性のI’ll bring one [= my own cup] next time.から今回は割引が適用されないということを理解し,Pay the full priceを選ぶ必要があったため,難しく感じた人が多かったと予想されます。

問15の女性のputting everything here in the living room into boxesという発言を受けてPacking all the items in the living roomを選ぶ問題も,everything・into・the living roomなどの音につられてMoving everything into the living roomを選んでしまう人が多かったかもしれません。

第4問 A:問18~21 イラスト並びかえ問題・問22~25 表穴埋め問題

第4問はやや短めのモノローグが読み上げられます。

Aの問18~21は,昨年は表の穴埋め問題でしたが,今年度は友人が週末行ったことに関する読み上げを聞いてイラストを並びかえる問題でした。

we dashed to the recently reopened roller coaster, but the line was too long so we decided to eat lunch insteadを理解して,①ランチを食べるイラストを正しい位置に持ってくることができたかがポイントとなります。

「グラフの穴埋め」と「イラスト並びかえ」が交互に出題されている

なお,これまでの出題を振り返ると,グラフの穴埋め→イラスト並びかえ→グラフの穴埋め→イラスト並びかえのように,交互に出題されていることになります。問22~25は,表の穴埋め問題であることは昨年同様です。

ただし,昨年までのような条件を聞き取りその条件と表を照らし合わせて解く問題ではなく,時間割の穴埋めに変わっており,聞き取ったものをそのまま埋めていく形式になっていました。

比較的取り組みやすい問題形式・内容だったと思います。

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第4問 B:条件選択問題

Bは4人の提案を聞き取り,条件に当てはまるアイデアを選ぶ問題です。

今年度のテーマは「出し物のアイデア」で,昨年までと同様に表にCondition A・B・Cとしか書かれていなかったため,less than 10 peopleのように条件を簡潔に英訳しておくことが重要でした。

それぞれの条件について4人が様々な言いかたで言及しますが,今年度は条件に当てはまるか否かが判断できないものや言及されなかった条件もなかったため,比較的取り組みやすかったと思います。

第5問 講義問題

第5問は,長めの講義を聞いて,その内容をまとめたワークシート内の空欄を埋めたり,講義の内容に一致する選択肢を選ぶ問題です。
今年度は「ガラス」がテーマでした。

例年通り,読み上げの速度は他の大問に比べややゆっくり,そしてはっきりと読み上げられています。
ワークシートの構成なども大きな変更はありませんが,問27は直前のGlass does NOTを読んでおかないと誤った選択肢を選んでしまった可能性があります。

また,問28~31は講義内での該当箇所が例年よりわかりづらかった印象がありますが,与えられていたshapes・windows・rooms・roadsなどと一緒に使われる可能性のあるフレーズを選択肢から選んでおくことで聞き取りやすくなったでしょう。

問32の内容一致問題は,今年も講義の最後の方で言及されていました。
続く問33は,講義内容・グラフ・読み上げのすべてを参照する必要がありましたが,グラフからの情報で選択肢を絞ることができました。

第5問全体の難易度としては,やや難しめだったと言えるでしょう。
今年度の問題からも,与えられている時間を効率的に使い,ワークシートから必要な情報を読み取っておくことが極めて重要だとわかります。

第6問 A:長めの会話文問題

第6問Aは,2人による長めの会話文を聞き,それに関する2問に答える問題です。

今年度のテーマは「旅行中の移動の方法」についてで,会話の内容も明確で選択肢も選びやすく,解きやすい問題だったと言えます。事前に選択肢を読んでおくことで,ferry・train・Franceに関する会話だということも予想しやすくなっていました。

第6問 B:4人の会話文問題

Bは,4人の会話を聞き,問題で与えられた意見に同意している人を選ぶ問題です。

昨年の本試験同様に,人数ではなく名前を選ぶ問題でした。
比較的聞き取りやすい内容でしたが,Chrisが最後に意見を変えたことを理解できていたかが正解を選ぶ決め手となりました。

第6問はA・B共に例年並み,またはやや易しめの問題だったと言えます。

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高校1・2年生に向けてのアドバイス

これまで今年度の問題の分析や,解く前にすべきことなどをお話してきました。最後に,その内容を踏まえて高1・2年生の皆さんに心がけてほしいことをお伝えします。

高1・2年生に心がけてほしいこと
  • 「聞く力」をつける
  • 「解く力」をつける

詳しく解説していきましょう。

「聞く力」をつける

初めて共通テスト(リスニング)を聞くと,「思っていたよりも聞き取れなかった」という感想を抱く人も多いと思います。

問題を解く練習をする前にまずは「聞く力」をつけてください。

具体的には,単語やフレーズを覚える際には発音も意識することと,ディクテーション(英語を流して書き取る)ことや,音声をまねして音読することなどが有効な対策です。

遅くとも高3の夏までには「聞く力」の基礎を付けておくことを目指しましょう。

「解く力」をつける

リスニングの問題を解く際には,音声が流れる前の時間で効率的に準備をすることが重要です。

「聞く力」がつくと,それだけで模試などの成績は各段と上がると思いますが,準備をして待ち構えて聞くという「解く力」がつくと,リスニングで安定して高得点をとることができるようになります。

「解く力」をつけるには,問題演習をすることが一番です。遅くとも高3の夏には演習を始めるようにしましょう。

「聞く力」「解く力」をつけるための学習法は以下で詳しく説明していますので,ぜひ参照してみてください。

2025年度共通テスト受験生が意識しておきたいポイントまとめ

高1・2生の時点でリスニング学習の重要性に気付き,対策を始めることができれば,リスニングに関しては不安要素がない状態で受験学年を迎えることができます。

共通テスト(リーディング)が難化傾向にあり,満点を取ることが非常に難しくなってきている現状を考えると,リスニングで高得点を取ることは必須になってくるはずです。
また,リスニングは単語力や読解力など英語の総合力を要するので,リスニング力を鍛えることは,英語力全般を高めてくれます。

ぜひ,早い段階からリスニング対策を始めて,英語を武器にしてください!

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※本記事はプロモーションを含む場合があります。

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