漢文で出題される「複数テクスト」問題を攻略するための考え方

こんにちは、安田です。

今回は、大学入学共通テストで必須となる「複数テクスト」の読解について、心構えと実際の読解方法をお伝えできればと思います。

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共通テストにおける複数テクスト問題

この記事の執筆段階で、共通テストは3年行われ、追試験を含めて6回分の過去問があります。それらをすべて見てみると……

共通テスト(漢文)の出典
  • 2021年度 第1日程 欧陽脩の詩と韓非子の文章
  • 2021年度 第2日程 曾鞏の文章と晋書の一文
  • 2022年度 本試験 阮元の詩とその序文
  • 2022年度 追試験 蘇軾の文章と旧唐書の一文
  • 2023年度 本試験 白居易の官吏登用試験予想問題とその模擬答案
  • 2023年度 追試験 安積艮斎の文章と范祖禹の文章と森鴎外『渋江抽斎』の一節

こうして見てみると、この3年間で、「詩」と「文章」を読み解く形式や、出典の異なる複数の文章を読むことが求められています。2023年度追試験に至っては、日本人の書いた漢文と中国で書かれた漢文を複数テクストで並べてくるという、なかなか面白い形での出題となっています。

共通テストのコンセプトを考えても、今後も同じような形で複数テクストでの出題は続くのではないでしょうか。

漢文の複数テクスト問題も決して難しくはない

いくつもの文章を読まないといけない、というのは、特に漢文が得意でない人にとっては苦痛に感じるかもしれません。
そうでなくとも、時間制約の厳しい共通テストにおいて、漢文での文章量が多いとバランスを崩しかねないという人も多いと思います。

ですが、実際のところ、読まなければいけない文章量はセンター試験時代と比べてもそこまで大きくは増えていません。
ほぼほぼ見開きで収まる範囲の分量ですから、そのあたりはあまり深刻に考えず、普通に読んでいけば間に合う、くらいの心持ちで向かいましょう。

複数テクストの方が読み解きやすくなる可能性もある

また、「一つの文章が長く続くものよりも読み解きやすくなる可能性がある!」と思っておくことも、心構えとしては大切です。

現代文や英語長文で経験があると思いますが、一つの文章の場合は、最初からわからない、途中からわからなくなった、というのがあると、仕切り直しが難しく、「全部できない!」となる可能性があります。

本来自分にとってさほど難しくない文章であったとしても、本番の環境では内容がうまく頭に入ってこない、という事態もあり得ます。

片方がそれなりに読めるだけでも前進だと考える

複数テクストだと、たとえば2つの文章があって片方が全く分からなかったとしても、仕切り直しがしやすく、もう片方がそれなりに読めるだけでも設問に取り組む上ではだいぶ前進します。

後述しますが、このような場合は片方がおおよそ分かれば、不明瞭な部分があってもなんとかしやすいのです。

もちろん、実際はそんなうまくはいかないものですが、ちょっと読めないくらいなら仕切り直してどっちかが読めればなんとかなるかも…と、メンタルを前向きに保ちやすくはなると思います。

「そんなに文章量は多くない」「1つ読めればなんとかなるかも」となるべくポジティブに考えておきましょう。

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複数テクスト問題の読み方・解き方

まず前提として、1つ1つの文章がそれなりに読めるように基礎力はつけておく必要があります。

漢文の複数テクスト対策
  • 日常の教科書と授業を大切にして、語彙や文型、句形の知識をしっかり身につける
  • 文章を丁寧に読んで設問は要所を押さえられるようにする
  • 解いた後は書き下せるように、訳せるように、徹底的に復習する

これらの学習はコツコツ行いましょう。

複数テクストは相互にヒントとして活用しながら読む

その上で、複数テクストを実際に読み解いていくコツみたいなものがあります。

それは、相互に関連した内容の文章を組み合わせて出題しているので、相互にヒントとして活用しながら読むことです。

テクスト同士の関連性:(例)2023年度本試験

たとえば、2023年度の本試験などは非常に分かりやすい関連性を持っています。

自分で作った予想問題に対して、自分で模擬答案を作っている。
予想問題がどういう内容か掴めれば、それに対するアンサーという前提で模擬答案部分を読めますから、ノーヒントで文章に向き合うよりも書いてあることが分かる可能性が高まります。

逆に、予想問題部分が正確に読み切れなかったとしても、模擬答案部分で大まかにでも内容が分かれば、「ああ、こういうことを問いとして立てているのかな?」と推測も立ちやすくなります。

相互に参照しないと解けない設問は限られている

また、相互参照しないと解けない、という設問は限られています。

各文章内で完結する問題がほとんどですから、相互にヒントとして活用しながら読めれば複数テクストを過度に意識せずとも十分に得点できます。

漢文の複数テクスト対策は過去問演習を通して要領を掴んで読む練習を

複数テクストは練習素材も限られていて、解く上では不安を感じるかもしれませんが、相互にヒントになるものと考えれば肩の力を抜いて立ち向かえると思います。

過去問演習を通して、要領をつかんで読めるように頑張ってください。

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