現代文・小論文・AO推薦入試対策講師。
基本的な読解スキル・解答スキル・論述スキルをいかにして活用するかを授業の主軸に据えている。同時に大学入試頻出の知識・テーマをわかりやすく説明。その方法論と知識は多くの生徒の信頼を得ている。
この時期の学習指針を列挙した前回の続きです。
前回の記事はこちら。
それでは、少ない時間で小論文の学習をたくさん行う方法についてみていきましょう。
文章の要約練習を行う
この時期には志望校の過去問を解いている人が多いと思います。そこで取り組んだ問題の文章を要約してみましょう。
小論文入試では要約を求められることがありますし、自分の考えを簡潔にまとめるトレーニングにもなります。また、記述力の養成という意味で国公立大学の入試対策にもなります。
一石三鳥の学習法です。
過去問題集の解説部分に本文要約が載っていることが多いので、これを解答例として自らの答案と比較することでまとめ方のヒントが得られるし自己採点も可能になります。
国語の過去問の文章を課題文に短い小論文を書く
前述した過去問を用いたもう一つのトレーニング法です。
過去問で取り組んだ問題を課題文と考えて小論文を書いてみましょう。字数は100字~200字が目安。
立論・主張・根拠が揃えば小論文の「柱」ができあがります。
そのために必要なのが上記の字数なのです。
この程度の字数であれば書く負担が少なくなります。
また、国語の試験の中に自分の意見を問われる問題が入っている場合も多いのですが、その場合は概ね200字程度の論述が求められます。その意味でも100字~200字でまとめるというのは妥当性があるのです。
再論述の実施
これまでも小論文の演習はしてきたことでしょう。
ところで、ここまで取り組んだ問題の再論述は行っていますか? 添削してもらってアドバイスを読んで、それで終わっていませんか?
せっかくアドバイスを受けたのだから、それを意識して小論文を書くことであなたの技能は高まるはずです。
そこで行ってほしいのが再論述。
一度取り組んだ問題をもう一度書き直しましょう。
一度取り組んだ問題ですから、課題文や資料の読み取りの負荷は減るはずです。その分考えることに時間を割くことができます。
以前書いたときには気づかなかった論点を発見できたり、思考・論述の技能が向上した自分を実感できたりするかもしれません。
いずれにせよ、小論文の技能を高めるために再論述は重要な学習方法です。
最後にーー小論文の学習を「捨てない」
いかがでしたでしょうか。
各自の状況にあわせて活かせる学習方法を実施してください。
繰り返しになりますが、小論文の学習を止めてはいけません。その前提でできることを精いっぱいやる。小論文の学習を「捨てる」ことはしないで最後まであがいてください。
受験生のみなさんの健闘を祈っています。