高校数学IAを独学で先取りしていく際に取り組みたい3つのステップ

こんにちは。数学講師の大塚志喜です。

今回の記事では、高校数学IA を独学で先取りしていく際の注意点についてお話ししていきます。
受験で数学を武器にしようと思うと,受験範囲をどれだけ早く一周終わらせるかが勝負の鍵になってきます。

しかし独学には非常に危険な側面もありますので,注意が必要です。その辺りについて細かく話していこうと思います。

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数学ⅠAを独学で先取りしていくメリット

まずは先取り独学のメリットについてお話ししていこうと思います。
最大のメリットは「受験の年に問題演習の時間をしっかり取れる」ことです。

とくに現役生は3 年生になっても受験範囲が終わっていない場合がほとんどで,3年生になってもまずは範囲を終わらせる勉強をしなければなりません。
進度の遅い学校になると,3年の秋になってやっと受験範囲が終わる事例もあります。

そうなってくると受験対策用の勉強時間がなかなか取れず,不利になってしまいます。
裏を返せば,そちら側に回らなければ有利な立場で受験に臨むことができます。

この差はかなり大きいです。

数学ⅠAを独学で先取りしていくことにはデメリットや注意点もある

しかし,独学にはデメリットがあります。
それは,しっかりと学習内容の定着ができないまま先に進んでしまう危険性があることです。

独学をするとなればメインの教材が教科書になるかと思いますが,教科書を独学で学ぶのは至難の業です。

そもそも教科書は,「指導者が指導に使うもの」です。
教科書の内容はそれだけで完璧ではなく,説明が不十分であったり厳密な議論を避けている部分が多々あります。

その曖昧な部分をしっかりと補完してくれる指導者が必ず必要になってきます。

そのような人が近くにいない場合は,「練習問題はとりあえず解けてもまったく本質が理解できていないので応用問題に全く手が出ない」という状態になりかねません。

すると結局またしっかりと勉強し直さなければいけなくなり,先取り学習をしていた意味がなくなってしまいます。
先取り学習をするのであれば,後になってそれが活きてくるようにしておかなければいけません。

数学ⅠAを独学で先取りする際の3つのステップ

では具体的なやり方の例をお話ししていきます。

数学ⅠAを独習する際の進め方
  1. 教科書の説明を理解し、例題を解く
  2. 練習問題を解く
  3. 教科書傍用の問題集で数をこなす

具体的に説明していきましょう。

まずは教科書の説明を理解し、教科書通りに例題を解く

まずは教科書の説明を理解し,教科書に書いてあるように例題を教科書の通りに解きましょう。
このときですが,必ずそれを「書きながら」進めてください。

数学の問題を解く際に「手を動かさず頭の中で考えるだけ」の勉強は非常に効率が悪いです。
なぜならば,結局試験は「書かなければならない」からです。

実際にその場で書きながら勉強することにより,自分が今本当に内容を理解してその解答を書いているのか,それともよくわからずに書き写している状態なのかがしっかりと自覚できるはずです。

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例題は最低限身につけてほしい問題解答の技術が詰まっていますから,確実にできるようにならなければなりません。
実は理解しておらず自分のものにできていない状態で先に進んでしまうと,後で必ず悪影響が出てきます。

そうならなくて済むように,しっかりと「土台を作る」ことを意識しましょう。

例題を理解したら練習問題を解く

次に,練習問題を解きます。
教科書によって多少誤差はあると思いますが,ほとんどの場合は例題理解の確認です。
例題がしっかりと理解できていれば全て解くことのできる問題がほとんどです。

このときもしっかりと「書いて自分で答えを出す」ことを意識してください。

たまに「問題を読んで,頭の中で解き方がパッと想像できればその問題は実際には解かずに先に進む方が効率が良い」というアドバイスを聞きますが,はたして本当にそうなのでしょうか。

本当に解けるかどうかは書いてみないとわかりませんし,何より試験では書かなければなりません。
実際にやってみたら最後まで解き切る計算力がなかったり,そもそもその解き方では解くことのできない状態となってしまうと目も当てられません。

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しっかりと,解答を書いて実際に答えが出せることを確認して次に進むようにした方が後で必ずそうでない人との差になりますので,手を動かすことから逃げないようにしましょう。

教科書傍用の問題集で数をこなし,ある程度難度の高い問題に挑戦する

その後,教科書傍用の問題集で数をこなし,ある程度高い難度の問題に挑戦しましょう。

結局は教科書内容の延長です。
教科書の内容がしっかりと理解できていれば,その知識をどう運用するかを自分のものにできればその分野の学習はとりあえずひと段落ということでも良いのではないでしょうか。

そのときにやはり大切なのは,解き方を一生懸命暗記することを目標にするのではなく,「なぜこの問題はこう解くとうまくいくのか」「初めてこの問題を解いた人はどうしてこうやってこの問題を解こうと思ったのか」という,その問題を解いていくための必然性を学びましょう。

模範解答には解答しか書いていません。
やはりここでも,しっかりとそのレベルの内容まで自分を導いてくれる指導者が身近にいることが大切です。

理屈ばかり追い求めて演習量が少なくなってしまうのはあまりよくないことですが,量をこなす前にまずはしっかりとした質を確保してからでないと,それこそ効率の悪すぎる勉強になってしまいます。

こうした経験のストックが,いずれ受験や模擬試験で出会う「みたことも聞いたこともない問題」をその場で解くための能力の向上にもつながっていきます。

せっかく独学して先取りをするメリットがなくなってしまっては本末転倒ですよね。

おわりに

今回の記事はいかがだったでしょうか。
独学という言葉は使いましたが,全てを独りで学ぶことなどそうそうできません。

自分でしっかりと勉強を進めて,その指針や内容の補足をしっかりと示してくれる身近な指導者と一緒に学習を進めていくことが大きな鍵になるはずです。

頑張ってくださいね。
それではまた次の記事でお会いしましょう。

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