[連載小説]像に溺れる #42 赤色灯――像に溺れる【ANOTHER STORY―ヤナガワ―】 「てか腹減ったべ。どうする? おごるけど」 11時を回っていた。 暗闇でママが祈る姿が浮かぶ。 蛍光色の頭がそこにいるイメージがつかない。 シンプルに帰りたくな... 2021年7月3日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #41 発光――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—】 昼間の汗がベッタリ残ったような夜、バイト先から桂木の軽自動車に乗せられ美容院に向かう。 エアコンから勢いよくヤニとホコリの臭いが飛び出してきて、その割になかなか... 2021年6月26日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #40 十柱戯――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—】 塩をかけられ過ぎたナメクジが消滅して、そうはいっても質量は保存されるわけだから宇宙にナメクジ素材が漂いみんながちょっとだけヌメヌメする、2度目の高1はそういう夢... 2021年6月19日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #39 善の顔をした悪——像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—】 どっちにせよジゴウジトクは止まらなかった。 タバコは誰かにチクられ停学になった。 暫定パパは私に悪魔の因子が入り込んだといって家には空気清浄機が置かれ、霊験あら... 2021年6月12日 鹿間 羊市
京都の歩き方 平安神宮~近代に創られた京都総鎮守の社~【佐京由悠の京都の歩き方】 お疲れ様でございます。 大人の修学旅行「佐京由悠の京都の歩き方」、第9回目は平安神宮を取り上げます。 さて、この平安神宮、創建はいつでしょうか。 「平安」神宮と... 2021年6月10日 佐京由悠
[連載小説]像に溺れる #38 飼育員——像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—】 片親だとバレたのは高校に入ってすぐだった。 知らないうちに、噂はコバエみたいに増殖して皆の脳を支配していた。 隠すつもりもなかった。 でも黙っていることは隠すこ... 2021年6月5日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #37 ジゴウジトク——像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—】 いつからか、エレキギターみたいな音が、頭のなかで鳴り続けている。 化石になった脳ミソが、ミキサーにかけられギューン、ギューンと悲鳴をあげる。 私は多分、脳髄をヤ... 2021年5月29日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #36 供え物――像に溺れる 部屋の中でポケットから取り出したヤナガワサンのタバコは、一切ぼくと打ち解ける気がないように見えた。 学習机に置かれた黒いパッケージは、あからさまな異物として周囲... 2021年5月22日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #35 奪われた核――像に溺れる 学校から駅までの商店街を歩いていると、芝原の父と映っていた奇妙な鳥のキャラクターがやたらと目に留まるようになった。 駅のポスターや、街頭フラッグの隅っこに彼らは... 2021年5月15日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #34 疑念――像に溺れる 古く飾り気のないそのホームページは、インターネット普及期に個人がマニュアルのまま作ったような安っぽさを感じさせた。 市議会議員である芝原の父が、学校に対して圧力... 2021年5月8日 鹿間 羊市