[連載小説]像に溺れる #99 自己免罪の形式――像に溺れる【第5章】 彼女はその教団の立ち上げに関わった福永という男について、感情を押し殺すように話しはじめた。 「私と彼は、大学三年頃から同じゼミに所属していた。人当たりがよくて、... 2022年8月13日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #98 理想世界――像に溺れる【第5章】 「私たちの物の見方は、私たち自身には決められない。それはいつも、すでに決まってしまっている。それなのに、私たちはそのフィルターによって運命づけられている」 そう... 2022年8月6日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #97 信仰の正体――像に溺れる【第5章】 最寄り駅から上下に一つずつ、陣地を広げていくように駅の周りを歩く。 目につくのはいつも曖昧な建物たちだった。 古い民家をそのまま使ったアトリエ、貸倉庫のようなス... 2022年7月30日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #96 呪詛――像に溺れる【第5章】 世界の表面から足が数ミリ離れてしまった感覚が、うすぼんやりした神経の、目立たぬ回路を上書きしつづけている。 肉体はいつもなにやら所在なく、一方ぼくの精神は、深海... 2022年7月23日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #95 架橋――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—2】 上流のキャンプ場に車を止め、私たちは川沿いを下っていった。 川の表情は以前とはまったく違っていて、岩がゴツゴツ行く手を阻み、永遠に知っている風景にたどり着けない... 2022年7月16日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #94 陰翳――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—2】 部屋には潰れた空き缶が散乱し、ツマミとアルコールの臭気が充満している。 酔ったナカモトはやたらと饒舌になり、老人の家のテレビみたいなボリュームで、ヨネザワと自分... 2022年7月9日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #93 又候――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—2】 ナカモトの軽自動車はけたたましい音を上げながら、しかしピッタリ法定速度で、ヨタヨタ頼りなく進んでいる。 前席にデカい男が並ぶものだから、視界が狭くて仕方がない。... 2022年7月2日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #92 座標――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—2】 教団の本山へと向かう車中、ダッシュボードのところでヨネザワのスマホが震えた。 エアコンの吹き出し口に粗悪なアームで固定しているので、振動が増幅されて不快な音を立... 2022年6月25日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #91 教祖の子――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—2】 ――本当のこと、知りたい? コーウが引き取られていった日の夜、カイドリからメッセージが送られてきた。 それはカイドリがはじめて私に向けた、意味のある言葉だった。... 2022年6月18日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #90 光の螺旋――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—2】 「おぉ、いい子、いい子。こんなにかわいいのに……あの女」 途端に変わったトーンに、今度は私の体がこわばる。 「あの女、タカユキの稼いだお金を変な宗教に遣いこんで... 2022年6月11日 鹿間 羊市