「受験生」タグアーカイブ

国公立現代文⑤――要約記述の解法

こんにちは。

いよいよ国公立大学の受験まであと数日となりました。私大入試も終わり、手応えがあったり、なかったり‥‥そして良い結果が出ていたり、出ていなかったり‥‥という日々を送っていますかね。

私大入試と国公立大入試の関係はあるようで無いです。今も昔も私大はボロボロだったけれども国公立大は合格した、という人間は相当数存在します。求められる力が異なりますからね。ここに向けて調整してきた皆さん、頑張りましょう。

さて、今回のテーマは要約です。一橋大学や首都大学東京などでも出題されますし、北九州市立大学などで出題される小論文でも必要になります。手順を確認していきましょう。

要約の手順①――通読作業

文章全体を通読しながら、論構造を把握しましょう。

押さえるべき論構造
・抽象と具体
・対比
・繰り返し
・因果関係
・結論

 

抽象と具体

要約の基本は「抽象部分の抽出」です。よってこの作業は必須であると心得ましょう。

対比

対比は対比されている「項目」とその「要素」、さらには「相違点と共通点」の確認を忘れずに。

繰り返し

同じことを言っている部分があれば、「どの段落と同じか」を分かるようにしておきましょう。

因果関係

文章中で因果関係が形成されている箇所も注意しましょう。特に結論についての因果関係が形成されているのであれば読み落としのないように。

結論

要約文で最も欠くべからざる要素は「結論」です。その文章の筆者が何を言いたいかをつかんでいきましょう。

要約の手順②――必要な要素をまとめる作業

これらの作業を踏まえて結論を中心に論をまとめていきます。
その中で、必要な作業は以下の通りです。

押さえるべき論構造
(1)抽象表現をまとめる
(2)重複を避ける
(3)論理展開を確認し再現する

 

(1)抽象表現をまとめる

要約の基本は「抽象部分をまとめること」です。よって、基本的に本文中から抽象箇所を抽出します。
一方で「具体例は完全に排除して良いのか」という疑問も出てくると思います。これはケースバイケースとしか言えないのですが、基本的には抽象をまとめる、という認識で構いません。あまりに具体部分が長く、全体の内容に反映させるべきであれば、具体例をコンパクトにまとめて、内容に反映させましょう。

(2)重複を解消する

要約文で同じことを2度書く必要はありません。通読時に確認した重複箇所のうち、より抽象的な表現を採用しましょう。

(3)論理展開の確認と再現

要約文は一応課題文を縮小再現するので、その論理関係もうまく再現できているか、を確認しましょう。①で確認した対比や、因果関係などを答案に再現しましょう。

最後に――要約問題は結論をおさえる!

要約問題における最大のポイントを挙げるとすれば、「結論ありき」であるということです。具体例をどの程度反映させるか、などは文章ごとに違いが出てくるとも言えますが、結論を反映し、そこに向けて文章を組み上げる、ということはどの要約文でも間違いなく必要なことです。その点を忘れずにまとめるようにしてください。

それでは!
==================================

武川晋也——Shinya TAKEGAWA

首都圏、西日本の予備校に出講する現代文講師。また、某塾では最難関高校入試の対策講座を担当している。

文章の情報構造を客観的に把握しつつ、その意味内容の理解に深く斬り込む授業に定評あり。

ラーメンが好き。阪神タイガースはもっと好き。

国公立現代文④ーー理由説明問題編

こんにちは。

いよいよ国公立大学の入試まで10日を切りましたね。前期試験のセンター得点分の結果も確定し、いよいよ本番に向けた最終調整の時期になりましたね。この時期は私大入試の真っ只中でありタスク過多になりがちですが、国公立大学が第一志望なのであれば、ひと段落したら過去問演習など、必要な対策を行いましょうね。

そして現代文の対策はこのシリーズを再度追いかけることで作業のイメージを固めていただけると幸いです。

 

さて、今回は「理由説明」についての問題です。

理由説明を考える


羽場先生が書かれた上の記事と重複する部分もありますが、私なりに理由記述問題解答のメソッドをお伝えしたいと思います。

単純な理由説明型問題2つのパターン

単純な理由説明型問題には傍線部や設問条件の内容から2つのパターンに分類が可能です。

すなわち、

①「因果の不足」型
②「結果」型

 

の2つ。それぞれ見ていきましょう。

国公立現代文③ーー換言問題編

こんにちは。

バリバリ過去問、解いてますかー!?(猪〇風)

さて、このシリーズもいよいよより具体的な設問解答の方法論について説明していく段になりました。今回は、評論の記述問題において非常に多く出題される「換言問題」についてのお話です。まずは設問の分析から押さえていきましょう。

換言問題の考え方①設問分析

設問から、
換言or理由/条件の有無を確認<前提作業>

A 換言 : 「どういうこと」/「説明しなさい」など
B 理由 : 「なぜ」/「どうして」など
C 条件 :  設問の条件を踏まえて傍線部を分析する。

 

当たり前の話なのですが、問われていることに答えなければ得点になりません。ABももちろんのこと、Cの「条件の有無」については特にしっかりと確認をしていきましょう。

換言問題の考え方②傍線部(条件)分析

換言問題は、「傍線部」(または条件)を言い換えることが求められている設問です。よって、傍線部や条件をしっかりと分析したうえで、その要素、関係性に注意しながら言い換える必要があります(この目標を見失ったまま「なんとなく」作成した解答は散見されます)。

仮に傍線部が「A+B+C」という構成要素であれば、「A‘+B’+C‘」という内容を目指して言い換えていきます。

換言問題の考え方③確認したい要素

そして、傍線部(条件)に以下の要素が含まれている場合は真っ先に確認し、言い換えていきましょう。

① 指示語
② 比喩
③ 特殊表現

それぞれのポイントを確認していきます。

指示語
指している内容を明確にしましょう。もちろん「前」を見ることも大事ですが、指示語の「後」にもヒントがあることも多いです。確認を忘れずに。

 

次に比喩。

比喩
比喩を比喩のまま残してはいけません。
適切に置き換える必要があります。

 

どのように考えるか、
「雪のような肌」という表現を使って考えてみましょう。

⑴ 比喩そのものの意味を考える。
→「雪」の性質 : 「白い」「冷たい」…

⑵文脈から意味を確定させる
・肌の色の話をしている  → 「白い」肌
・肌の温度の話をしている → 「冷たい」肌

比喩の把握については、過去にこんなことを述べています。

国公立大学記述対策②~記述の基礎その2

特殊表現
文章中で筆者が作った言葉や特別な定義を与えられている言葉(「」がついている言葉など)も言い換える必要があります。本文中から読み取り、置き換えていきましょう。
換言問題の考え方④全要素を換言し、関係性を反映

ここまでに書いたことはもちろんなのですが、その他の部分も換言対象であることを忘れずに。傍線部問題は傍線部を全て換言することが要求されます。よって、傍線部表現をそのまま使わず、完全に言い換えることを意識しましょう。

そして、設問におけるA、B、Cの関係性(主語・述語/因果関係など)もそのまま適用していく必要があります。文章を組み立てる上でしっかりと確認しておきましょう。

換言問題の考え方⑤言葉の選び方に注意する

基本的には「本文中の言葉」を用いて言い換えたほうが良い。しかし、本文中に適切な表現が見つからない場合は適切な言葉を「本文中にない言葉」であっても選択すべきである。(むろん、語彙力が必要であることは言うまでもありません)

番外編――「具体的に説明せよ」

「具体的に説明せよ」という設問条件がある場合、「具体例」を用いて答えることではなく、「わかりやすく説明する」ということであることに注意しましょう。

==================================

武川晋也——Shinya TAKEGAWA

首都圏、西日本の予備校に出講する現代文講師。また、某塾では最難関高校入試の対策講座を担当している。

文章の情報構造を客観的に把握しつつ、その意味内容の理解に深く斬り込む授業に定評あり。

ラーメンが好き。阪神タイガースはもっと好き。

2月の学習指針(受験生)②

この時期の学習指針を列挙した前回の続きです。
前回の記事はこちら。

2月の学習指針(受験生)①

それでは、少ない時間で小論文の学習をたくさん行う方法についてみていきましょう。

 文章の要約練習を行う

この時期には志望校の過去問を解いている人が多いと思います。そこで取り組んだ問題の文章を要約してみましょう。
小論文入試では要約を求められることがありますし、自分の考えを簡潔にまとめるトレーニングにもなります。また、記述力の養成という意味で国公立大学の入試対策にもなります。

一石三鳥の学習法です。

過去問題集の解説部分に本文要約が載っていることが多いので、これを解答例として自らの答案と比較することでまとめ方のヒントが得られるし自己採点も可能になります。

国語の過去問の文章を課題文に短い小論文を書く

前述した過去問を用いたもう一つのトレーニング法です。

過去問で取り組んだ問題を課題文と考えて小論文を書いてみましょう。字数は100字~200字が目安。

立論・主張・根拠が揃えば小論文の「柱」ができあがります。
そのために必要なのが上記の字数なのです。

この程度の字数であれば書く負担が少なくなります。

また、国語の試験の中に自分の意見を問われる問題が入っている場合も多いのですが、その場合は概ね200字程度の論述が求められます。その意味でも100字~200字でまとめるというのは妥当性があるのです。

再論述の実施

これまでも小論文の演習はしてきたことでしょう。

ところで、ここまで取り組んだ問題の再論述は行っていますか? 添削してもらってアドバイスを読んで、それで終わっていませんか?

せっかくアドバイスを受けたのだから、それを意識して小論文を書くことであなたの技能は高まるはずです。
そこで行ってほしいのが再論述。
一度取り組んだ問題をもう一度書き直しましょう。
一度取り組んだ問題ですから、課題文や資料の読み取りの負荷は減るはずです。その分考えることに時間を割くことができます。

以前書いたときには気づかなかった論点を発見できたり、思考・論述の技能が向上した自分を実感できたりするかもしれません。
いずれにせよ、小論文の技能を高めるために再論述は重要な学習方法です。

最後にーー小論文の学習を「捨てない」

いかがでしたでしょうか。
各自の状況にあわせて活かせる学習方法を実施してください。

繰り返しになりますが、小論文の学習を止めてはいけません。その前提でできることを精いっぱいやる。小論文の学習を「捨てる」ことはしないで最後まであがいてください。

受験生のみなさんの健闘を祈っています。

==================================
根岸大輔——Daisuke NEGISHI[小論文]

現代文・小論文・AO推薦入試対策講師。

基本的な読解スキル・解答スキル・論述スキルをいかにして活用するかを授業の主軸に据えている。同時に大学入試頻出の知識・テーマをわかりやすく説明。その方法論と知識は多くの生徒の信頼を得ている。

2月の学習指針(受験生)①

センター試験も終わり、いよいよ最後の詰めの時期です。
私大入試も始まっています。

この最後の最後の時期だからこそ、
小論文の学習であとひと踏ん張りしたいところです。

小論文は短期で実力がつきにくい科目だと思われるかもしれません。それは確かにその通りなのですが、だからといって小論文の学習を後回しにしてよいわけではありません。
最後の最後までやるべきことをしっかりやっていきましょう。

量的負荷をかける

さて、1月の学習指針でもお伝えしましたが、直前期の小論文学習で重要なことを確認しておきましょう。

直前期の小論文学習指針
① 知識の拡充
② 思考法・発想法の錬磨
③ 量的負荷をかける

①の「知識の拡充」は12月に、

12月の学習指針(受験生)①


②については1月に

1月の学習指針(受験生)


それぞれお伝えしているので、2月には③の「量的負荷をかける」ことについて見ていきましょう。

「この時期に小論文の学習量を増やすなんて無理だよ~」という声が聞こえてきそうです。
確かに他の科目とのバランスを考えると小論文に多くの時間を割くわけにはいきません。

それでも小論文の学習を続けるべき理由が3つあります。

学習を続ける理由①「技能」は使わないと鈍る

例えば鉄棒のさかあがりを考えてみましょう。

小学生の時はできたかもしれません。しかし今さかあがりをしてみよと言われたら、できる自信がありますか?(近所に鉄棒があったら実際にやってみてください)

おそらく最初はうまくいかないはずです。繰り返しているうちにできるようになるかもしれないし、できないかもしれません。
このように、過去にできたことが今ではできなくなっていることはままあります。
したがって技能を「使う」ことが重要なのです。

学習を続ける理由②「書く」行為が思考を活発化する

小論文に限らず、国公立大学の国語と関係する話です。

例えばセンター試験や私大の試験のように選択式の問題では文章を読み取るだけで答えを出すことができます。しかし国公立大学の二次試験で課される記述式問題では単に読み取るだけでなく解答をいかに構成するかに頭を使わなければなりません。

選択式であればなんとなく答えても正解できるかもしれませんが、記述式問題では本文の内容を理解しそれを自力で再構成する必要があります。

多くの受験生が「選択式の方が簡単、記述式の方が難しい」と思っているのではないでしょうか。これらのことは「書く」という行為が否が応でも自らの思考を促すことを示します。

1月にお伝えした思考法を活用するためにも「書く」という行為を止めてはならないのです。

学習を続ける理由③添削してもらえる期間が終わる

多くの人が学校や塾・予備校の先生に小論文の添削をお願いしているでしょう。

先生方は忙しい時間の合間を縫ってあなたの答案を添削してくれています。添削をお願いしてすぐに返却されることはおそらくないはずです。

そう考えると、あなたの答案を添削してもらえる時期はそろそろ終わりを迎えます。実力向上のチャンスの〆切が目の前なのです。その最後のチャンスを活かさねばなりません。

さて、小論文の学習の必要性を理解していただけたでしょうか。
とはいえ、やはり十分な時間を取るのは現実的に難しいでしょう。そこで、次の回では少ない時間で小論文の学習をたくさん行う方法を提案します。

[編注]少ない時間で小論文の学習をたくさん行う方法について解説した次の記事は以下のページへ。

2月の学習指針(受験生)②

==================================
根岸大輔——Daisuke NEGISHI[小論文]

現代文・小論文・AO推薦入試対策講師。

基本的な読解スキル・解答スキル・論述スキルをいかにして活用するかを授業の主軸に据えている。同時に大学入試頻出の知識・テーマをわかりやすく説明。その方法論と知識は多くの生徒の信頼を得ている。

国公立大学記述対策②ーー記述の基礎その2

こんにちは。
前回は記述の基礎について列挙しました。

国公立大学記述対策①~記述の基礎その1


今回はこの中で触れた三項目について各論を述べさせていただきます。

①構文の正しさ

「日本語文としての正しさ」というべきでしょうか。
記述答案を作成し終わった際に、
以下の点が正しいかどうかを確認しましょう。

チェックポイント
⑴「主語-述語」の対応
⑵「修飾語と被修飾語」の係り受け
⑶「てにをは」などの「助詞の使い方」

解答の要素をいくら満たしていても、

「日本語文として」間違っている
(場合によっては「崩壊」している)

のであれば減点、場合によっては×となることがあります。

たとえば、「シンヤ」「サヤカ」「プレゼントする」という要素があるときに、

「シンヤがサヤカにプレゼントをする」

のか

「シンヤにサヤカがプレゼントをする」

のかでは「てにをは」の違いにとどまらず、
意味まで異なるのです。

書き上げた記述の構文の正しさは必ず確認しましょう。

②表現の正しさ

①との区別がつきにくいかもしれませんが、
こちらは主に2つの点から説明します。

表現の正しさの観点
⑴比喩、慣用表現の抽象化
⑵記述の抽象度(具体度)の確定
⑶指示語、代名詞の明確化
表現の正しさ(1)ーー比喩、慣用表現の抽象化

例えば、

「熊のような人」

を換言する問題があったとしましょう。
これを

「テディベアのような人」

と換言したらどうなるでしょう。

比喩を比喩で言い換えることはそもそもその比喩内容がお互いの共通理解として成立していれば可能ですが、採点間との間にそれは難しいでしょう。


(たとえば、私のこの写真を見たことがない人には私のクマらしさは全く伝わらないので、
「熊のような人」ってどんな人?という問いに対して「武川のような人」と答えられてもわからないように。)

よって、比喩表現は適切に抽象化して換言する必要があります。

表現の正しさ(2)ーー記述の抽象度(具体度)の確定

時期によっては質問が最も多く出る事項の一つが、

「どの程度抽象化すればいいのか
(=具体例を使ってもいいのか)」

ということです。

基本的には
「一般化」「抽象化」して答えていくことが求められる
という認識で構いません。

しかこれは一般化がしづらく、
それこそ「設問による」と言わざるを得ないです。

よって、実際の作業としては、
身近な頼りになる先生に記述の添削をお願いし、問題ごとに表現の抽象度について聞いていくことが良いと思います。

念のため、
「抽象と具体」の含み持つ意味合いについて触れておきます

抽象と具体

抽象
→意味の範囲が広い
Ex.果物が好き
→(恐らく)りんごもみかんもバナナもドリアンも好き。
具体
→意味の範囲が狭い
Ex.みかんが好き
→りんごも好き?バナナは?ドリアン‥‥?
(つまりわからない)

 

冒頭に「基本的には抽象的に」といったのは

「具体的な内容の記述は限定的な意味内容になってしまう」

ということを踏まえてのことでした。

とは言え、
繰り返しますが設問によってその度合いは変わってくるので、
傍線部箇所、設問の指示を分析することによって
抽象度、具体度を確定させましょう。

表現の正しさ(3)ーー指示語、代名詞の明確化

指示語のみならず、代名詞表現も明確化が必要になります。
たとえば、こんな記述答案のケース。

「彼があれをそうしたことでこうなった」

うん。何が何だか全くわからない笑

「あれ」「これ」「そう」の内容は必ず明確化しましょう。

上記の話は「言われなくたって分かるわ!」と思いますが、
代名詞表現はどうでしょう。

無論、
「私」や「彼」という人称代名詞のみが
本文で使われているなら
そのまま使わざるをえませんが、
「固有名詞」や「一般名詞」に置換が可能であれば
換言してしまいましょう。

③内容の正しさ

①②を踏まえ、記述内容の正しさに入ります。

無論、③が正しくない限りは①②も意味が無いのですが、
設問や条件の指示、
傍線部を確認した上で正しい答案を目指しましょう!!

‥‥って、そこをどうするか、教えろよ!!となりますよね。
分かっております。
この点についてはまた次回以降複数回に分けてお話をします。

それでは!

==================================

武川晋也——Shinya TAKEGAWA

首都圏、西日本の予備校に出講する現代文講師。また、某塾では最難関高校入試の対策講座を担当している。

文章の情報構造を客観的に把握しつつ、その意味内容の理解に深く斬り込む授業に定評あり。

ラーメンが好き。阪神タイガースはもっと好き。

国公立大学記述対策①ーー記述の基礎その1

こんにちは。
センター試験が終わりましたね。
国公立志望の皆様は出願先が決まった頃でしょうか。

それぞれに思うところはあるでしょうが、
終わってしまったことは変えられません。

しかし、未来はまだ変えることができます。

国公立試験まであとひと月。
そこまでにやれることを精一杯頑張りましょう!
そしてこのシリーズが
皆様の合格の一助になることを願っております。

記述の基礎〜概論〜

さて、今回のテーマは「記述の基礎」についてのお話です。
前回は「センター試験を使って記述的思考力を鍛える」ことがテーマでしたが、今回から記述を「書く」ためのマインド、そして作業についてお話させていただきます。今回はその基本的なことについてまずは概論的にお話をさせていただきます。次回の投稿でその中身を各論的に検討していきます。

部分点ぐらい…?

さて、そもそも記述問題を「解答欄に文字を詰め込めば部分点ぐらいはもらえるだろう‥‥」と思っていませんか?

そんなわけがありません!!

当たり前ですが「問い」に対して正しく「答え」ることが得点発生の基準です。そしてそのクオリティによって点数が加減されるのです。

そのクオリティはそもそもの解答内容の正しさが前提となりますが、一方で日本語文としての構文、表現の巧拙によって加減がなされます。

すなわち「俺は/私はこう思っているんだ。わかるだろう??」という独りよがりな答案ではなく、採点者にも客観的に伝わる文章を書くことが肝要となります。

では、どのような点を意識して書くべきなのかの項目を以下に挙げさせていただきます。

すなわち、

①構文の正しさ
②表現の正しさ
③内容の正しさ

それぞれを簡単にまとめると…

①構文の正しさ
日本語文としての正しさ。
(文法、構文がおかしくないかの確認)

 

②表現の正しさ
記述の構成要素の抽象度(具体度)の選定。
不適切な表現がないかの確認。

 

③内容の正しさ
設問条件を踏まえた解答になっているか。

各論についてお話をしたいのですが、
そうすると記事が本当に長くなってしまいますので、
次の記事にてお話したいと思います。

それでは!

==================================

武川晋也——Shinya TAKEGAWA

首都圏、西日本の予備校に出講する現代文講師。また、某塾では最難関高校入試の対策講座を担当している。

文章の情報構造を客観的に把握しつつ、その意味内容の理解に深く斬り込む授業に定評あり。

ラーメンが好き。阪神タイガースはもっと好き。

入試直前期の取り組み

直前期が最も伸びる…?

皆さんこんにちは。枡見(マスミ)です。

お久しぶりです。
更新,サボってたわけじゃないんですよ……たぶん。
センター試験が終わり,いよいよここから私大・国公立二次試験と,受験が押し寄せてきますね。ちょうど今日予備校の壁にこんな卒業生からのメッセージが貼ってあるのを見かけました。

「直前期が最も成績が伸びる!!頑張れ!!」

これ,受験生を勇気づけるためでもなんでもなく,
本当にその通りなんですよ。

受験指導者の目線で見て「正直なところ厳しいだろうなぁ…」と思っていた受験生が,予想を覆して合格を勝ち取ってくるという場面は,毎年日本中で見られる光景です。よく指導者は「開花した」とか「覚醒した」とか表現したりします。
ただし,これには条件がいくつかあるように思えます。

覚醒する条件①ーー愚直な努力の積み重ね

1つ目は,これまで愚直に努力を積み重ねてきていること。
知識をストックし,それを問題を解く中で結びつける経験を積んでいることなしには,開花もなにもしようがありません。

覚醒する条件②ーー振り返る

2つ目は,きちんと振り返りをすること。
入試本番,解けなかった問題があったら,
次の大学で出題されたときには確実に解けるようにしよう。
センター試験で解けなかった問題はもう解きなおしましたか?
同じテーマの問題が明日の試験で出るかもしれませんよ?

「お願い…出題しないで…!」と神頼みするよりも,
「もう大丈夫!同じの出てこい!」という状態にした方が良いに決まっているでしょう。

いま君たちにできることは,1つでも解ける問題を増やして,合格する確率を上げることです。

覚醒する条件③ーー途中で投げ出さない

最後に,勝負を途中で投げ出さないこと。

受験シーズンは長い。
過ぎてしまえばあっという間だけど,
戦っている最中はとにかく長くしんどいものです。

でもそれは他の受験生も一緒。我慢比べ。
投げ出したら負けです。

問題が解けずに失敗して落ち込んだり,途中で不合格通知が届いて,心が挫けそうになることもあるかもしれません。
それでも,明日のために今できることをやりましょう。

私大がダメでも国公立で勝てばいいじゃないか。
前期がダメでも後期で勝てばいいじゃないか。

そういう心意気で試験に臨みましょう。
あとは体に気をつけて。

読み終わったら画面を閉じてペンを持ちましょう。
君の受験に幸運を。
==================================
枡見康平——Kohei MASUMI

首都圏の予備校・塾・学内予備校に出講中。

講義ではテキトーそうな雰囲気を醸し出しつつ,「なぜそうなるのか?」を一つ一つ丁寧に積み上げる。ごく稀に化学愛をぶちまける。科学史と甘いものとネコが好き。

センター日本史 最後のひと詰め

センター試験まであと3日。最後の追い込みは順調かな?誰しもが日本史の範囲を完璧に終わらせて受験に臨みたいと思うものだけど,現実的に考えてそれは難しいよね。でも,それはみんな同じだよ。そんな状況の中でも最後の1日,最後の1時間,最後の10分まで貪欲に知識を吸収する。勝負事はあきらめたらアウトだ。ここまでやったのだから悔いはない!と思えるぐらいに残された時間にすべてを賭けられるかが重要だよ。

世紀・年代の整理

さて,センター試験は一般的に基本的な問題中心に出題されると言われている。それは間違いないので,基本用語と基本用語に付いてくるキーワードを中心に復習するべきだよね。

でも,最後にもう一つ頑張れるなら,世紀や年代を整理してみよう。もちろん,最優先すべきは政策や出来事をみて,政権担当者や執権,将軍,内閣が言えること。

「日明貿易の再開」をみて室町幕府の6代将軍足利義教と言えなければ正直戦えない。だからこのような知識が入っているのが前提だけど,足利義教が活躍した世紀と言われてピンとくるかな?
しっかり15世紀であると言えていただろうか。

センター試験では世紀や年代を意識した問題が出題されることがあるので,試験前に整理しておきたいよね。例えば過去にはセンター試験でこのような問題が出題されているよ。

7世紀後半の諸政策について述べた文として正しいものを,次のうちから一つ選べ。[2017年日本史B本試験]①飛鳥の地に,西大寺や大官大寺などの大寺院が建立された。
②最初の全国的な戸籍である庚午年籍がつくられた。
③冠位十二階が制定され,豪族が新たな身分秩序のもとに再編された。
④大王の系譜などを採録する『旧辞』の編さんが開始された。

②が正文。
まずは庚午年籍から天智天皇を導くのは最低条件として,
天智天皇がいつ頃活躍したのかを意識しよう。

もちろん,天智天皇が活躍した前後の重要事項から想像するのもありだね。例えば,663年の白村江の戦い。この当時はまだ中大兄皇子であったので天皇にはなっていなかったけど,白村江の敗戦後,中大兄皇子は天智天皇として即位した。と,分かれば663年のチョイ後に登場してくる人物だと言える。もしくは,672年に起きた壬申の乱が天智天皇の死後に起きた皇位継承争いだと分かっていれば,672年のチョイ前に活躍した人物だと言えるよね。

このように知りたい人物の前後の知識がついていれば時期を特定できるけど,歴史上に出て来る主要人物のすべてを時期特定できるだろうか。

例えば,厩戸王,藤原冬嗣,藤原道長,後白河上皇,北条義時,足利義満…さすがにすべてとなると難しいよね。

そこでこのような整理の方法を提案するよ。

世紀の最初と最後を意識しよう

例えば,9世紀であれば,9世紀の最初と最後を意識する。

9世紀初頭に活躍したのは桓武天皇かな。
805年の徳政相論が有名だよね。(藤原緒嗣が蝦夷討伐と平安京造営の停止を提案)

9世紀の最後の方で覚えているはずなのは,
菅原道真の遣唐使の廃止。
「菅原道真が白紙(894年)に戻した遣唐使」のゴロは聞いたことがあるよね。
さすがに大学入試なので,菅原道真は宇多天皇に遣唐使の廃止を建議したという事実は覚えないとダメだよ。

こうやって,世紀の始まりと終わりを意識すると,
桓武天皇と宇多天皇の間に登場してくる人物や出来事はすべて9世紀であると整理できるんだ。

桓武天皇とよく入試で比較される嵯峨天皇。
嵯峨天皇の時代に蔵人頭に就任した藤原冬嗣。
菅原道真が宇多天皇に重用されるのは藤原基経の死後だから,藤原良房・基経も9世紀と言えるよね。また,藤原冬嗣が関わった薬子の変,良房が関わった承和の変や応天門の変,基経が関わった阿衡の紛議もすべて9世紀の出来事だと整理できるよ。

江戸時代まではこの形で世紀を整理してみよう。
明治時代以降は10年毎のイメージが重要になるよ。
1870年代・1880年代のような形で整理してみてね。

まだまだ3日ある!これからだ!!

==================================
高橋芳武——Yoshitake TAKAHASHI
[日本史]

首都圏の予備校・高校に出講。

日本史学習を暗記だけで終わらせない。歴史のつながりはもちろん,時代や人物のイメージを持たせる授業を展開。

1月の学習指針(非受験生)

たくさんの本を読む

先輩がセンター試験を前にして追い込みに入っている姿を見て、非受験学年の皆さんも気合が入ってくる時期かと思います。
その勢いを借りて、非受験学年から小論文の準備をしっかりしていきましょう。

さて、この時期に小論文でやるべきことは非常にシンプルです。

「たくさんの本を読む」

これにつきます。

まだ入試対策に汲々とする必要のない時期だからこそ、
参考書や問題集にかじりつくことなく、
幅広い教養を身につけることができます。

小論文は(現代文も)この「教養」がものを言う科目です。

ここでいう「教養」とは、断片的な知識ではなく、ある一定の体系性をもった知識群だと考えておいてください。

インターネットを通じて私たちは日々さまざまな情報に触れています。しかしそれらは断片的な情報です。

情報をたくさん持っていること自体はとてもよいことで責められるべきことではありません。しかしインターネットを行き交う情報の最大の弱点は、断片的であるがゆえにどれが重要な知識なのか判断できないところにあります。

この重要性の判断の基礎になるのが、
その知識が組み込まれている「体系」です。

すべての知識・情報は先人の研究・思索の延長線上にあり、自分の目の前にある知識・情報がそれまでの学問的営為のどこに位置づけられるのかがわからなければ、重要性を判断できません。
もし自分がこれまでにない画期的な発想を思いついたとしても、それは先人の考えてきたことと同じであるかもしれません(これを「車輪の再発明」と呼びます)。

そういうことに陥らないためにも、これまでの学問的営為について(少なくてもいいから)知っておく必要があります。
そのための一番手っ取り早い道具が本なのです。

読むべき本の探し方①

ここまでで本を読む重要性を理解してもらえたかと思います。でもどんな本を読めばいいかわからないですよね。

そこで提案したいのが、
皆さんが使っている情報収集ツールです。

最近のインターネット技術では、皆さんの興味関心に合わせて提示する広告を変えることが可能になっています。
つまりインターネット・アプリの広告は
自分の興味関心の「鏡」なのです。

そこでこれを逆に活用し、
自分の興味関心にあわせた情報を確認し、
それに関する本を手に取ってみるという方法が考えられます。

もしゲームばかりしていてゲームの広告が多いぞ、と思ったら、「ゲームの歴史」みたいな本を手に取ります。

たとえば


『ゲーム産業で何が起こったか?
巨大エンターテインメント業界のいま』

もしアイドルが好きでそういう情報ばかり見ているぞ、と思ったら「アイドル文化」みたいな本を手に取ります。

たとえば


『アイドルはどこから 日本文化の深層をえぐる』

……と、こんな具合です。

読むべき本の探し方②

でもどうしたらそういう本が見つかるの?
と思うかもしれませんね。

これはわりと簡単です。

検索サイトで
「○○(自分の興味のある分野) △△(検索キーワード) 本」
で検索してみてください。

重要なのは真ん中の△△に入れるキーワードです。
これを入れないと、
ゲームの攻略本やアイドルの写真集ばかり出てきます。

△△のところに「文化」「産業」「歴史」などのキーワードを入れてみてください。そうするとあなたの好きなものについて(一定程度)専門的・学術的に研究した本が出てきます。

その中でおもしろそうなものを書店や通販サイトで買ったり、図書館で探してみたりします。そういうプロセスで、自分の好きな分野が社会でどのように考察・研究されているかに触れてみましょう。意外な側面が見えてくるかもしれませんよ。そのことでより自分の興味関心が深まっていく可能性もあります。

このようにして
自分の関心分野から体系性のある知にせまることができます。

まずは手に取って、触れてみる。

この経験があなたを知の体系へと近づけてくれます。
自分の興味関心から出発する教養への道。
なかなかおもしろいアプローチだと思いませんか。

==================================
根岸大輔——Daisuke NEGISHI[小論文]

現代文・小論文・AO推薦入試対策講師。

基本的な読解スキル・解答スキル・論述スキルをいかにして活用するかを授業の主軸に据えている。同時に大学入試頻出の知識・テーマをわかりやすく説明。その方法論と知識は多くの生徒の信頼を得ている。