1月の学習指針(非受験生)

たくさんの本を読む

先輩がセンター試験を前にして追い込みに入っている姿を見て、非受験学年の皆さんも気合が入ってくる時期かと思います。
その勢いを借りて、非受験学年から小論文の準備をしっかりしていきましょう。

さて、この時期に小論文でやるべきことは非常にシンプルです。

「たくさんの本を読む」

これにつきます。

まだ入試対策に汲々とする必要のない時期だからこそ、
参考書や問題集にかじりつくことなく、
幅広い教養を身につけることができます。

小論文は(現代文も)この「教養」がものを言う科目です。

ここでいう「教養」とは、断片的な知識ではなく、ある一定の体系性をもった知識群だと考えておいてください。

インターネットを通じて私たちは日々さまざまな情報に触れています。しかしそれらは断片的な情報です。

情報をたくさん持っていること自体はとてもよいことで責められるべきことではありません。しかしインターネットを行き交う情報の最大の弱点は、断片的であるがゆえにどれが重要な知識なのか判断できないところにあります。

この重要性の判断の基礎になるのが、
その知識が組み込まれている「体系」です。

すべての知識・情報は先人の研究・思索の延長線上にあり、自分の目の前にある知識・情報がそれまでの学問的営為のどこに位置づけられるのかがわからなければ、重要性を判断できません。
もし自分がこれまでにない画期的な発想を思いついたとしても、それは先人の考えてきたことと同じであるかもしれません(これを「車輪の再発明」と呼びます)。

そういうことに陥らないためにも、これまでの学問的営為について(少なくてもいいから)知っておく必要があります。
そのための一番手っ取り早い道具が本なのです。

読むべき本の探し方①

ここまでで本を読む重要性を理解してもらえたかと思います。でもどんな本を読めばいいかわからないですよね。

そこで提案したいのが、
皆さんが使っている情報収集ツールです。

最近のインターネット技術では、皆さんの興味関心に合わせて提示する広告を変えることが可能になっています。
つまりインターネット・アプリの広告は
自分の興味関心の「鏡」なのです。

そこでこれを逆に活用し、
自分の興味関心にあわせた情報を確認し、
それに関する本を手に取ってみるという方法が考えられます。

もしゲームばかりしていてゲームの広告が多いぞ、と思ったら、「ゲームの歴史」みたいな本を手に取ります。

たとえば


『ゲーム産業で何が起こったか?
巨大エンターテインメント業界のいま』

もしアイドルが好きでそういう情報ばかり見ているぞ、と思ったら「アイドル文化」みたいな本を手に取ります。

たとえば


『アイドルはどこから 日本文化の深層をえぐる』

……と、こんな具合です。

読むべき本の探し方②

でもどうしたらそういう本が見つかるの?
と思うかもしれませんね。

これはわりと簡単です。

検索サイトで
「○○(自分の興味のある分野) △△(検索キーワード) 本」
で検索してみてください。

重要なのは真ん中の△△に入れるキーワードです。
これを入れないと、
ゲームの攻略本やアイドルの写真集ばかり出てきます。

△△のところに「文化」「産業」「歴史」などのキーワードを入れてみてください。そうするとあなたの好きなものについて(一定程度)専門的・学術的に研究した本が出てきます。

その中でおもしろそうなものを書店や通販サイトで買ったり、図書館で探してみたりします。そういうプロセスで、自分の好きな分野が社会でどのように考察・研究されているかに触れてみましょう。意外な側面が見えてくるかもしれませんよ。そのことでより自分の興味関心が深まっていく可能性もあります。

このようにして
自分の関心分野から体系性のある知にせまることができます。

まずは手に取って、触れてみる。

この経験があなたを知の体系へと近づけてくれます。
自分の興味関心から出発する教養への道。
なかなかおもしろいアプローチだと思いませんか。

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根岸大輔——Daisuke NEGISHI[小論文]

現代文・小論文・AO推薦入試対策講師。

基本的な読解スキル・解答スキル・論述スキルをいかにして活用するかを授業の主軸に据えている。同時に大学入試頻出の知識・テーマをわかりやすく説明。その方法論と知識は多くの生徒の信頼を得ている。