用語集を使った世界史学習②

前回の記事で紹介した慶應世界史の正誤判定問題。

例題

以下の中から誤った記述を選び、その番号をマークしなさい。

 フランス革命やナポレオン戦争に際して、アメリカ合衆国は中立の立場をとり貿易で大きな利益をあげていた。

 アメリカ合衆国は、自国の客船ルシタニア号がドイツの潜水艦に撃沈されたのをきっかけに、第一次世界大戦への参戦を決めた。

 第二次世界大戦においても、アメリカ合衆国はヨーロッパで戦争が始まってから2年あまり後に参戦したが、参戦前から連合国を支持する姿勢をとっていた。

 アメリカ合衆国は、1949年に北大西洋条約機構の発足に参画し、集団的防衛体制を築いた。

正解はイです。

 アメリカ合衆国は、自国の客船ルシタニア号がドイツの潜水艦に撃沈されたのをきっかけに、第一次世界大戦への参戦を決めた。

誤っている点はアンダーラインを引いた箇所です。

①ルシタニア号は「自国」ではなく「イギリス」の客船である
②アメリカはルシタニア号事件の後に即、参戦を決めた訳ではない

以上からイが正解となる訳ですが、この問題は「第一次世界大戦」の単元で必ずと言っていいほど学習する「ルシタニア号事件」についての正確な理解が問われていたと言えるでしょう。

決して微細な用語を追求したからできるようになる問題ではありません。むしろ問われるのは、用語集の見出し語のインプット数ではなく、標準的な用語の「用語説明」をどれだけしっかりと読み込んでいたかどうかです。

正誤問題を得意にするには、標準的な用語を、その説明文も含めて深いレベルで習得することです。

そのための発想として、通常の「一問一答の逆」のアウトプットを心がけましょう。

普通、「一問一答」を使った世界史学習では、用語そのものを答える場合がほとんどですが、「用語をみて説明文を言える」のが次の段階です。もちろんこれはかなりハードですが、世界史の実力は飛躍的に向上することは間違いありません。とくに多くの受験生が苦手とする正誤・論述問題への効果的な対策にもなります。

「説明文」をアウトプットするのが難しい場合は、用語を説明するキーワードの箇条書きをしてみるだけでも違います。

実は、以前紹介した『世界史単語の10秒暗記ENGRAM2250』(学研プラス)には、上記の考え方が設計思想の根本にあります。

本書の紙面を見てもらえばわかる通り、すべての見出し語のすぐ横には「出題キーワード」と称した、その用語を説明するためのキーワード集が掲載されています。

そこで、「出題キーワード」から見出し語を連想できるようになったら、ぜひ見出し語から「出題キーワード」をアウトプットできるか試してみましょう。

こうした使い方ができるのも、「ENGRAM世界史」の特長の1つです。

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鈴木悠介——Yusuke SUZUKI[世界史]

予備校講師・参考書作家・予備校マニア・学参収集家。

著書『高校世界史をひとつひとつわかりやすく。』シリーズ(学研プラス)『世界史単語の10秒暗記 ENGRAM2250』(学研プラス)他。

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