[現代文]選択肢問題の捉え方〜2択で迷うという人へ〜③

②不必要な誤りを防ぐ

意外かもしれませんが,消去法を「適切に」使いこなせていないなら,不要な誤りを生む可能性があります。たとえば,

例題
誤った無理な似て非なる類推は断じて許されないとしても、このような想起者として科学は意外に重要な役目を人間の今日の生活のいろいろな場面に対して申し出しているように思われるのである。
(寺田寅彦「科学と文学」による)

 

下線部「重要な役目」とあるが、どのような役目か。次のイ〜ホの中から最も適切なものを選び、その符号を書きなさい。

  1. 文学が、科学的な見方から得られる可能性を指摘し、人々の行動についての指針を示す役目。
  2. 文学が、科学的な見方から得られる可能性を指摘し、それに無関心な人々の注意を促す役目。
  3. 科学が、科学に関する明白な可能性を無視した考え方に基づいた文学の誤りを指摘する役目。
  4. 科学が、物質界の現象に関する知識をもとに、人間に別の可能性の存在を思い出させる役目。
  5. 文学が、物質界の現象に関する知識をもとに、人間界の事象に関する推論を推し進める役目。

 

出典が「科学と文学」というタイトルであることからもわかるように,この文章の中では文学の役割についても語られています。
そこで,選択肢の中にも「文学が〜」というものが含まれているわけですね。そして,どれももっともらしい選択肢なので悩ましいですし,本文中に書かれている内容ばかりに思えてきます。

でも,傍線部を含む一文を読んでみると,

「科学は……申し出している」

という関係が把握できます。
ということは,選択肢としても,主語がこれ(科学)に対応している3.か4.以外あり得ないという判断が可能になのですよね。

つまり,この問題に関しては傍線部を含む一文の構造をしっかりと把握できれば,3.と4.以外の選択肢〔=誤った選択肢〕を選んでしまうという事態を防げるわけです。

(ちなみに,「このような想起者」が指す内容〔=物質界の現象を学ぶことによって,他の可能性の存在を忘却していたということに気がつくことがしばしばありうるという内容。今回は該当箇所を省略。〕が把握できれば解答できます。4.です。)

選択肢で迷ったときも同様に,「解答のイメージは何か」「どんな解答になるはずか」ということを考えることで,選ぶべき選択肢が決められることは非常に多いということを念頭に置いて,問題に取り組んでみることをお勧めします。

学習方法

では,この「書くように選ぶ」感覚を身につけるために取り組めることはあるのでしょうか。

一つの方法として提案したいのは,「記号選択問題を解く際にも記述解答を書いてみる」という学習。
時間はかかりますが,確実に力になります。

初見の問題でも一度解いた問題でも構いません。
というより,はじめのうちは記号選択問題の解答を作る作業はハードルが高いでしょうし,一度解いたことがある問題の方が良いかもしれません。

イメージとしては,

  1.  記号選択問題を解く際に記述解答を作ってみる
  2. 自分の書いた解答と最も近い選択肢を選ぶ
  3. 答え合わせ
  4. 正解の選択肢を模範解答に見立て,そこに書かれているポイントと自分の書いた記述解答が一致していればその問題はOK

 

二度目,三度目だとしても,
本文内容の理解に加えて,それぞれの問題に対しこれくらい深く取り組んでいくことができるなら,着実に「書くように選ぶ」という観点を養うことができるでしょうし,初見の問題でも少しずつ「解ける」,ひいては「読める」という感覚を味わえるようになってきます。

ちなみに,こんな観点で勉強していくと,ありがちな「記号選択問題は答え覚えちゃってるから繰り返しなんて意味がない〜♪」という状態も防げますよねぇ。

じっくりと腰を据えて現代文に取り組むことができる方は是非取り組んでみることをお勧めします。
「そんな余裕はない!」という方も,少なくとも「書くように選ぶ」という観点を忘れることなく記号選択問題に取り組んでいただきたいと思っております。

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