高1・高2の世界史学習③ 

「メンテナンス」と「ブラッシュアップ」

前回の記事で,
「教科書通読」を中心とした「通史学習の大まかな先取り」は,大きく2つの点からすすめられない旨をお伝えしました。

上記を踏まえたうえで筆者が推奨するのは,
既習単元の〈メンテナンス〉と〈ブラッシュアップ〉
に徹する学習です。

既習単元というのは,すでに高校で授業を受け,定期試験などに向けてそれなりに勉強した経験のある単元のことです。

世界史は必修科目ですから,
高校3年に上がるまでに世界史教科書のおよそ半分は「既習単元」となっていることが多いと思います。
これは本来,受験勉強における大きな「資産」なのです。
この「資産」の価値を最大限に高めた状態で受験学年を迎えましょう,というのがここでの提案です。

先述の比喩でいえば,〈塗り絵〉が「半分は確実に完成した状態」で本格的な受験勉強を開始する戦略を構築するわけですね。これに成功すれば,難関大学の現役合格に大きく近づけること請け合いです。

ところで,当然ながら「既習単元」は放っておけばその理解度や用語の定着度が下がっていきます。
そこで高1・高2生は, このような「資産価値の目減り」を食い止めること(メンテナンス)にまずは全精力を傾けるべきです。
その上で,余裕があれば既習単元の知識を入試レベルに高めましょう。これが〈ブラッシュアップ〉です。
実はこうした過程においてこそ,前回紹介した動画授業や講義型参考書を活用して欲しいのです。

解いていきたい問題集

そして,
ブラッシュアップの学習段階では,
積極的に市販の問題集を解きましょう。

具体的にはまず,

『はじめる世界史 改訂版』(Z会出版)

などで肩慣らしをし,
その後で,かなり難しく感じるかもしれませんが,


『ヒストリア 世界史精選問題集』(学研プラス)
などに取り組むと良いでしょう。

これにより実際の入試の水準が把握できます。

なお,既習単元に関しては,例えば『ヒストリア』の問題が7割正答できる状態を目標に設定するなど,学習の終着点を設けておくとモチベーションも維持できます。

それでは最後にまとめです。

〈高1・高2生の世界史学習〉
× 世界史は高3から始めればなんとかなる
× 教科書くらいしか持っていないから教科書だけで勉強する
× 内容があまり頭に入ってこないが,とにかく自力で古代から戦後までやってしまう

膨大な内容を習得するためには正しい戦略が必要
高1・高2生も参考書や動画授業をどんどん活用するべき
高1・高2での既習単元を確実な武器にできるかどうかが受験の勝敗に大きく影響する

ぜひ万全の受験勉強計画を立てて
「正しい努力」を積み重ねましょう。

皆さんの頑張りに期待します。

==================================
鈴木悠介——Yusuke SUZUKI[世界史]

予備校講師・参考書作家・予備校マニア・学参収集家。

著書『高校世界史をひとつひとつわかりやすく。』シリーズ(学研プラス)『世界史単語の10秒暗記 ENGRAM2250』(学研プラス)他。

鈴木悠介公式ホームページはこちら