「わかる」から「できる」へ

毎年、初回授業で必ず話すことがあります。
それを一言でまとめるなら、

〝「わかる」ことと「できる」ことは別物である〟

ということです。
「今更当たり前のことをエラそうに…」と思われるかもしれませんが、振り返ってみるとこれって案外、当たり前にできていないことが多々あるのではないかと思うんですよね。
そして、これを意識した受講・学習をすることによって劇的に成績が伸び始める生徒も毎年多いように感じています(データはありません。苦笑)。

たとえば,
問題演習をした際に,
「傍線部Aとはどういうことか」と聞かれていて,
自分はアを選んだが,解答はウだった
というように,間違えた設問があったとします。

さぁ,次は何をしますか?

おそらく,解説を読んだり,説明を聞いたりしますよね。
そして,解説にはすごく丁寧に,

「本文○行目に●●と書かれており,そして△行目に▲▲と書かれている。傍線部Aはこの二つをまとめた内容であり,それを満たす選択肢はウである。よってウが正解。」

こんな風に書いてくれているわけです。
そして学習する側は,実際に根拠となる部分を何度も読み返したり,線を引いてみたりしながらこれを読んで納得する。

それだけではなく,もう一歩踏み込んだ勉強ができている人も多いと思います。
つまり,「アの何がダメだったんだろう」と考えるんですね。
とても良いことです。
とてもとても良いことです。
結局のところ,そうした「思考のズレ」を修正していくことが成績の向上につながるわけですし。

このように,「間違えた問題は丁寧に解説を読み,根拠を取り、間違ってしまった原因分析をする」という丁寧な学習を心がけていてほしいのは間違いありません。

でも、ここでちょっとだけ考えてみてほしいのですが,
果たしてこの勉強だけで
本当に「できる」ようになるのでしょうか。

先ほどの例で言えば,
「○行目に●●と書かれている」
「△行目に▲▲と書かれている」
「傍線部Aはこの二つをまとめた内容」
「それを満たす選択肢はウ」
おそらく,本文と照らし合わせながら解説を読めば
「たしかにその通りだ!」と納得できるでしょう。

でも,それは解説の誘導があったからこそ。
実際の試験では,
そうしたいわば「補助輪」なしに,
自分で根拠を発見しなければならないわけです。

日々の学習を通じてこうした力,
自分で気づける力を身につけていきたい。

そのためには,

文章を読みながらどのようなことを考えていくのか,
どのような点に注目するのが良いか,
解答する際にはどのような目/頭の使い方をしているのか

といった,「思考回路」や「着眼点」を鍛える必要があります。そうして学んだことを意識しながら復習し,それを意識しながら反復することで,より効果的に学習を進められるはずです。

一つ一つの言葉に込められたものを感じ取りつつ,
めまぐるしく思考を巡らせながら本文を読み取り,
そして設問に向き合っていく。

その手段となるもの,その取っ掛かりを授業や参考書を通して学んでいきたいものです。

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羽場雅希——Masaki HABA

首都圏の予備校・高校を中心に出講。

誰よりも自身が文章と戯れることを楽しみつつ、受講生の誰もが理解でき、かつ汎用性の高い考え方を提供する授業に定評がある。

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