11月の学習法(受験生)

小論文対策の前提

小論文入試で求められる力はさまざまあるでしょうが,
受験生は大きく分けて

A.分析力
B.発想力
C.論理構成力
D.表現力

を意識していくと良いでしょう。

▶︎分析力
・課題文を正確に読解しているか
・課題に対して的確に解答しているか
・社会の現状に対する分析は妥当か
・問題点に対する解決案は妥当か

▶︎発想力
・問題点への着眼点は適切な/独自性のみられるものか
・分析の/着眼点は一般通念/既存の常識と比べて新しいか
・解決案は一般通念/既存の常識と比べて新しいか
(一般通念/既存の常識は「他の受験生」とも置き換えられる)

▶︎論理構成力
・論理展開/段落構成は適切か
・主張は客観的妥当性を持つか(整合性が取れているか)

▶︎表現力
・表現は適切かどうか
・表現が豊かかどうか
・誤字脱字がないかどうか
・字数は適切かどうか

などなど……。
これらのことを意識しながら練習を重ねていきたいものです。

とはいえ,「発想力」については養うのもなかなか難しいものですし,少なくとも「一般通念/既存の常識と比べて新しいものか」という点については,受験生たちが短い制限時間の中で,長年専門家たちが苦心してきた厄介な社会問題に対する斬新かつ妥当な解決策を提示するのは至難の技(というか,不可能に近い)。
したがって,分析力・論理構成力・表現力に焦点を当てて学習していきましょう。

11月以降の学習指針

11月以降は,

①過去問演習
②知識の補填
③読解技術の確認

を軸にしていくと良いでしょう。
とはいえ,全く考え方や書き方がわからない,原稿用紙の使い方等の所謂「作法」が怪しいという人は過去問に取り組む前に,

伊藤博貴『大学入試小論文をひとつひとつわかりやすく。』
(学研プラス)

等の参考書を確認して,書き方の基本的なイメージやルールを確認しておくことをお勧めします。

過去問と添削と私

原稿用紙の使い方も含め,
ある程度文章が書ける状態であるなら,
基本的に過去問→添削が理想的でしょう。
その際の注意点としては,時間を測って解いてみることです。
もし,時間不足に陥るなら

①時間を測って解く
②同じ過去問を,今度は時間無制限で書いてみる

というセットを何回か繰り返すうちに,時間については慣れていくはずです。

さて,添削。身近に信頼できる先生がいる場合はその先生に依頼するのが一番スムーズに進むでしょうが,なかなかそうもいかない場合,WEBサービス等を利用するのも手です(それもなかなか難しいという方はお問い合わせください。相談に乗ります)。

添削指導を受ける際に必ず意識しておいておきたいのは「放置しない」ということ。
つまり,

①答案作成
②添削→返却
③添削・アドバイスの確認
④その指示に沿って書き直す

という流れを意識してください。
もちろん,一発で完成度の高い,ツッコミどころのない小論文が完成させられているのであれば良いですが,実際にはいろいろと修正点があるはずです。
一度書いて,添削されて,それに基づいて書き直すんですね。

知識の補填

出題されたテーマに対する前提知識があまりに不足している場合,書きづらさを覚えるだけでなく,論理展開にも支障をきたす場合があります。
したがって,
余裕がある場合は


『ワークで覚える小論文頻出テーマジャンル別キーワード92』
(桐原書店)

等の頻出テーマを扱った参考書いろいろなテーマに関する知識を補填する作業をしておきたいものですし,
あまり余裕がないという場合でも,
過去問出題頻度が高いテーマに関してはこれに加えて一般書(新書・選書で可)を通して知識を補填する作業も過去問と並行して行っていきましょう。

課題文読解力の確認

また,課題文型小論文の場合,課題文の読解・要約ができるかどうかというのも確認したいものです。
この辺りに不安がある受験生は,評論文読解の問題集に取り組むことをお勧めします。

いろいろなタイプの小論文

昨年の早稲田大学スポーツ科学部一般入試における「じゃんけん」小論文で明らかになったように,「過去問ではこのタイプしか出てこなかったから」という学習は避けるべきです。

それも踏まえて考えるなら,
過去問で出ていないタイプの小論文にも触れたいものですし,
あるいは特定のテーマ・タイプに対する苦手意識がある
という人もいるでしょう。

そんな人は

『新小論文ノート ベストの問題・解答例・解説集 2019』
代々木ゼミナール[編]

に取り組むのが良いでしょう。
繰り返しますが,自分の受ける大学は「このタイプしか出ないから!」という学習はあまりお勧めできません。

最後に,本番まで他科目とのバランスをとりながら続けなければならないということもお忘れなきよう。

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羽場雅希——Masaki HABA

首都圏の予備校・高校を中心に出講。

誰よりも自身が文章と戯れることを楽しみつつ、受講生の誰もが理解でき、かつ汎用性の高い考え方を提供する授業に定評がある。