こんにちは。武川です。
二月はドップリと高校入試の「沼」に浸かっていました。
おかげでnoteでもこんな感じ
一段落ついたと思ったらウィルス性胃腸炎に罹患し、ここ数日は寝込んでおりました。現在は回復。健康第一。
小池陽慈『大学入試無敵の現代文』
さて、そんな二月に発売即重版で話題になっていたのが、小池陽慈氏の『大学入試無敵の現代文』でございます。
こちらについて僭越ながら私なりの感想を述べさせていただきます。
第一印象は「俺ってかなり小池さんの考え方に影響されてるんだな」
「うわー、俺ってかなり小池さんの考え方に影響されてるんだなぁー」と素直に思えました。ゴリゴリに読んでいくスタイル、語彙の重要性を説いていき、一文一文を紡いでいく展開。授業の展開がまざまざと目に浮かぶようでしたし、なにより自分はまだ小池さんの域には達していない、そう痛感しました。
方向性は近いが自分の方が不徹底、、その意味ではものすごく参考になるな、と思いページをめくりました。
小池陽慈氏との関係
まあ、まずTwitterなどでの一般的なイメージとして私、武川は小池さんの「舎弟」「金魚の糞」「太鼓持ち」ぐらいに思われてるでしょう。笑
そんなに否定するつもりはないですが、そもそもどんな関係かを一度整理したいと思います。
私には師匠筋の先輩講師がいます。仮にFさんとしましょう。師匠には学生講師の頃それはそれはお世話になり、また世話もしました←
このFさんの盟友が小池さんになります。しかし、当時は先輩の友達であり、私にとっては遠い存在でした。
そして、私が予備校講師の仕事を始めて四年経ったあたりにTwitterを介して小池さんと出会い、その後仲良くさせていただいております。現代文の講師の先輩として憧れる一人の方でもあり、ここ最近は最もその教え方などに影響を受けています。
とは言え、小池さんはお忙しい。そんなに沢山お会いしているわけではないです。
小池氏作成のテキストと向き合ってきた高受指導
では、なぜ影響を受けたのか。それは、小池さんが作ったテキストを私が四年にわたって解説し続けてきたからでしょう。
それが某所の高校入試における開成高校対策のテキストになります。
毎年そのテキストに真剣に取り組んだ結果、少しずつ作成した人間の思想が見えてきて、それを自分なりに解釈するうちに似通ってきた部分が出来たのかな、と思っております。
しかし、私自身はそんなに従順ではなく、舎弟にしては反抗的だし、金魚の糞にしては離れが早く、太鼓持ちにしてはアドリブを決めすぎだと思っています。(ここら辺は昨年一番仕事を一緒にしたと思われる矢野耕平さんあたりがよくわかっていそう)
「あー、この人、完全に太鼓持ちだなぁ」と思う人が居る一方、私は同じ科目の先輩であるためか憧れの一方、どこかにジェラシーも抱いている、そんな関係性です。
ふと覚えた違和感
そして、ふと、絶賛されているTwitterのタイムラインを思い浮かべたのですが、この本、本当にすごいとおもうのですが、、
「どこまで皆さんすごいと分かっているのか」
がふと気になりました。いまや、小池さんはTwitterに留まらず様々なところで賛否両論の「賛」が多めの評価を受ける方です。
しかし、それ故に「中身の本当のすばらしさをわからずに小池さんが作ったから賛意をのべている」だけの人もいるのか、と思わざるをえませんでした。
これって、正直言うとよくある現象だと思うのです。だって、つい最近話題になったものだって「間違い」が平然と並んでるのに一部で絶賛されていたり、本当にその評価が正しいのか?という取り上げられ方をしているものもあります。
これからのスタンダードの一つになっていく一冊
小池さんの本はその類いではなく、これからのスタンダードの一つになっていくものです。しかし、多くの人にとって「脳に汗かく」「難しい」という一冊であるような気がしてなりません。ちゃんと読むと本当に重厚で濃厚で、知的疲労を感じます。そして、その疲労感を味わった上で感想を述べるべきだと思うのです。
受験生に適しているか
そして、これはあくまでも受験生に向けた参考書です。その役目としてはどうなのか。
受験生の読後感は二つに分かれると思います。
② 読むのがしんどい。
①「面白い。こういう参考書を待っていた。」と感じる受験生
そう思えるあなたは現代文の力が一定以上あると言えるでしょう。春から夏は読書などをしつつ秋頃から過去問に取り組んでください。
②「読むのがしんどい」と感じる受験生
まずは学校、塾予備校で現代文の授業をしっかりと受けましょう。その際、文章解説をしっかりとしてくれる先生を選びましょう。その上で、夏休みを終えるあたりにもう一度この本に立ち戻ってください。見える世界が変わります。
結びに代えて
②のような受験生は一定数いるはずです。その意味では彼らを救う教材が必要なのかな、とも思ったりします。そして、そんな教材を作るのが私の仕事なのかな、と最近思いました。
なにせ、この本は時代のスタンダードになり得る本です。それを補強する流れを周りが作ってこその「ジェラシー」に塗れた「舎弟」だと思っておりますので。
※出版社様お声がけお待ちしております
それでは。
首都圏、西日本の予備校に出講する現代文講師。
文章の情報構造を客観的に把握しつつ、その意味内容の理解に深く斬り込む授業に定評がある。
【note】https://note.mu/tkgwnohitorigoto