[古文]最後のセンター試験から、来年(共通テスト)の古文・漢文に向けて。

「語彙語史/古典教育/その他」からの提供です。

最後のセンター試験の問題を見て、新しいテストについて思ったことを、つれづれなるままに述べてみました。どなかたの参考になれば幸いです。
なお、拙い出来ではありますが、2020年のセンター試験、古文・漢文の訳・ワンポイントも書いていますので、合わせて参考になれば思います。

まだ何も決まっていない

一年後に共通テストが迫っているというのに、どんなテストになるのか現段階でほぼ何も分かっていないという状況です。現在の高校2年生、1年生、また来年度受験を考えている人にとってはとても不安な状況ではないでしょうか。本当にどうなるのか不透明な状態ですから、この状態が一番気持ちが悪いはずです。

その上で、古文・漢文について、最後のセンター試験の問題の分析から、どんな準備を今からしておけばよいか、どういう事を意識すればよいか、私の考えを述べてみたいと思います。

どんな問題が出ても、必要な知識は同じ

古文であれば、単語・文法・古文常識、漢文であればよく問われる漢字の意味、基本構造、句形、こういった基本的と言われる知識をベースにした丁寧な「読み」が重要である。

センター試験の問題の大半は「読めれば解ける」ものです。今年度もその傾向は強く感じられました。共通テストに移行しても、古文・漢文については、この傾向は変わらないと思います。

そこで、結局は、今までと比べて何か特別な勉強を古文・漢文についてする必要はありません。安心してコツコツと今まで重要と言われてきたことと同じような勉強を積み重ねていけば問題ないでしょう。

ここに注目


私が注目した設問から、どんなことを意識して勉強すべきか考えを述べていきたいと思います。

ここに注目——古文の場合

今後、古文を読むことにおける「文化や常識の理解」という面が従来よりも重視されていくように思っています。

そもそも単語・文法だけでは古文は読めず、いわゆる古文常識というものは重要な要素ではありました。ただし、今まではそこまで強く意識されなかったか、後回しだったように思います。しかし、今回の古文では、仏教に対しての理解があるかどうかは大きな別れ目だったように思います。問3ではそのことを強く意識しました。

ここに注目——漢文の場合

漢文では、問3のイラスト問題が話題のようですが、新傾向と言われていますが、これは単なる読解問題で、一見新しいようで、そこまで新しさを持った問題ではないように思います。むしろ久方ぶりの漢詩という点に着目しました。今後は、「表現」に関わる問題も増えていくのではないかと思ったのです。

「対句」であったり「押韻」と言った、表現上の工夫、修辞やレトリックが分かっているか、それを読みに活かせているかという観点での問題が予測されます。

散文だけではなく韻文にも慣れておく必要があるでしょう。

ここに注目——古典(古文漢文)として

複数テキストを利用した問題も予測されます。

今回、漢文の問6では「蔣生~」の故事を引用していたわけですが、引用の意図を組み取ることが求められていました。

古典の世界は、重層的な世界です。過去に積み上げられ来た言葉の中から、引用して示すことの持つ意味が計り知れないほど大きいのです。古文でも、漢籍からの引用や、引き歌、直接の引用ではなくても、ある作品の影響下にあることも多いのです。

今回の古文に限りませんが、『源氏物語』などの影響を強く受けた作品でした。このような古典の性質も相まって、今後複数のテキストを読み取らせるような設問は十分に考えられるのです。

また、繰り返しますが引用の意図や修辞などの表現面への着眼も忘れてはなりません。

最後に——杜撰ではない「読み」を。


以上、色々と手短にではありますが述べてきました。正直、どうなるかまだよくわかりません。実際に受験される方々の不安を思い、私も苛立たないわけがありません。

しかし、私の仕事は苛立つことではなく、一つでも不安を解消できないか、きちんと新しいテストでも読めて解けるためにはどうして行くべきかを示すことではないかと考えています。

新しい傾向もあるかもしれませんし、今までは出なかった出典も予測されますが、それでも古文・漢文は杜撰ではない「読み」、丁寧に「読む目」が大切だと信じています。そのために必要な知識はそうそう変わるものではありません。

そして、記述式が無くなかったから書けなくてもよいではなく、いつでも自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。自分の言葉で説明が出来れば、選択肢に惑わされず正解を選ぶこともできるのです。

すべての学ぶ人に寄り添っていきたいと思います。私も、古典の学び手の一人として、今後も精進を重ねていく所存です。

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