[化学]過去問の使い方


皆さんこんにちは。枡見(マスミ)です。
冬期に向けて,毎年この時期になるといろんな受験生から聞かれます。

「そろそろ過去問やった方がいいですか?」
「過去問って新しいのからやった方がいいですか?古いのからやった方がいいですか?」
「赤本(教学社)と青本(駿台文庫)どっちがいいですか?」

本当によく聞かれます。
予備校なんかでも,
今まで一言も言葉を交わしたことのない受講生から突然,

「カコモンやったほうがイイッスか?」

って聞かれるもんだから,

「(お…おぅ…この子たしか普段一番後ろの方に座ってる子やん…名前なんだっけ?っていうか今まで質問とか来たことあったっけ…?)………まずは現状と志望校を教えてもらおうか!!!!(ついでに名前も!!)」

ってところから会話が始まったりするわけですよ。

正直なところ,過去問をやるべき時期なのか否かは人によって事情がずいぶん違ってくるので一概には言えません。
一般論としては,普段の講義を一通り復習して,問題集なりを一通り終えているなら,過去問に取り掛かってもよいでしょう。

ところで,これは他の学習についても言えることですが,
より重要なのは,
「何をやるか」ではなく「どうやるか」だと思います。
漠然と過去問演習に取り組み,

「過去問を解いてみた。あまりできなかった」
「思ってたよりできた!うれしい!」

と感想を並び立てても,あまり意味がありません。
そういうのは日記に書きましょうね。

で,やり方なんですけど,
「時間を計る」「採点する」「弱点を克服する」
は必ず実行しましょう。

 時間を計る

試験時間は必ず事前に調べて,
時間内にどれくらい解き終わるのかを確認しましょう。
当たり前ですけど,入試には制限時間があります。
制限時間が60分の試験を2倍も3倍も時間をかけて満点とってもダメなんです。

制限時間の中でどこまで解けるのか。
時間が足りないなら原因は何か。
どの問題から解くと高得点を出しやすいのか。

そういったことを汲み取ってください。

 採点する

各大学の過去問には小問ごとの配点の記載が無いケースがほとんどですが,自分である程度は配点を決めるか,信頼できる身近な先生に聞いてみましょう。
採点が終わったら,(公表している場合は)「合格最低点」と見比べてみてください。

自分が合格までにあと何点必要なのか,
足を引っ張っている科目・単元は何か…

を見極めてください。

 弱点を克服する

これが一番重要なのですが,
失点した問題は必ず次に出たときに正答できるようにしてください。

「○○大の二段滴定の問題ができませんでした」

という人は,次回,

「△△大の過去問で,また二段滴定の問題ができませんでした…」

とならないように。
復習の際は,必ず教科書や参考書の力を借りましょう。
解説をざっと見て赤ペンで正解を写しても意味がありません。
その問題を解くために,
自分に不足していた部分を見極め,調べて,
想定され得る変化球(類題)を打ち返せるようになるかどうかが,合格の鍵なんです。

大問を解く順番を変えたり,
合格最低点との差が分かっても,学力自体は上がりません。
(逆に言えば,合格ラインを大幅に超えるパワーがあれば些末な戦略などいらないんです。)

地道に弱点を克服し,
“勝てる分野”を増やしていくのが,
合格への一番の近道なんじゃないでしょうか。

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