
大手予備校・高校等に出講。
日本古典文学研究と予備校や高校での古典講義を中心に精力的に活動。日本古典文学、中でも中古・中世、歌論、美術史をはじめ、興味関心は多岐にわたる。講義を通して古典に親しみ、その世界観に魅了される生徒は後を絶たない。
漢文とは何か
簡単に言えば、中国の昔の文章のことです。日本人の誰もが、古文をすらすら読めるわけではないのと同じで、現在の中国人みんながすらすら読めるわけではありません。
漢文はどうやって勉強するべきか
まずは、学校の授業をきちんと聞きましょう。受験科目の中でも後回しになりやすい科目です。それはある程度仕方のないこと。だからこそ、学校で触れる機会を大切に大切にしてもらいたいんです。
それから、句法についての解説書が学校で配布されている場合が多いでしょうから、授業や教科書などで扱われていた句法については、そちらで確認し、逐一覚えるように努力をしてみましょう。
漢文の語順を知ろう
漢文を書き下し文にし、読みこなしていくためには、日本語との語順の違いを知っておく必要があります。
これも、実は、みなさんの持っている句法の解説書や、教科書で詳しく説明された頁があったりするので、熟読をしてみてください。目次を確認し、「漢文の基本構造」などという題が、最初のほうにありませんか? その部分です。
参考書や教科書によって読み方が違うケースがある
実は、漢文の読み方が本によって違うケースがあって、学ぶみなさんは混乱してしまうことがあるようです。
これは漢字だけの文章を日本語に直す過程で、訓点をつけた人によって差が出てくるために起こることであって、どれが正しいということもありません。みなさんは、学校の授業や教科書を中心にすれば問題はありません。ただ、そういう違いがあるということは知っておきましょう。
最後に 漢文はなぜ国語か
こんな疑問を持った人はいませんか? 私も何度か考えたことがあります。
たとえば、今でも「四面楚歌」や「矛盾」と言った言葉が日本語として使われていますが、その起源は漢文にまでさかのぼることができます。このようなことから、日本文化や日本語の中に漢文の知恵が脈々と受け継がれているのだから、漢文は国語に含まれるのだとか、いろいろな説明があるようです。
実はこのテーマに関わる文章は、現代文の評論文でも入試に出題されたことがあるんです。ですから、上記のような問題意識を持ったあなたは鋭い。もし、よかったら下記の本を読んでみませんか?
漢文の素養 誰が日本文化をつくったのか? (光文社新書) | 加藤徹