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[世界史]文化史を克服する方法

世界史学習において、文化史というのは一つの「鬼門」です。
文化史というと、ひたすら「人物」「作品」などを機械的に覚え込んでいくイメージを持ちやすく、この分野が「大好き」「得点源」という学生はほとんどいません。

教える側からしても、文化史はその力量の差が如実に出てしまう分野といえます。それは普通の通史のように「用意されたセオリーとしての流れ」が存在しないため、ともすれば「事項の羅列」を繰り返してしのぐ羽目になるからです。

政治史と関連づけ、ジャンルごとに時代をつなぐ

「流れ」なきところに「流れ」を見出す。
これが文化史克服の第一歩です。

そのためには、以下の2点を意識しましょう。

①政治史との関連づけ
②ジャンルごとに時代をつなぐ

順に説明します。

①政治史との関連づけ

一般に文化史の学習は政治史(通史)の後に行いますね。
せっかく政治史で歴史の「ストーリー」を頭に入れたのですから、それにうまく文化史事項を紐づけてやれば良いのです。
これはよく耳にするアドバイスだと思いますが、どうも難しく感じる高校生が多いようです。

その場合はまず、文化史に登場する人物が、政治史でいうと「いつ頃に活躍したのか」を書き出してみましょう。

そして通史を学んだプリントやノートにその人物を書き入れていきます。それだけで、人物へのイメージが湧き、文化史への距離はぐっと近くなることでしょう。

上記は高校生が自分一人で取り組みやすい作業です。
もう少し歴史的内容に踏み込んだ高度な関連付けをしたい場合は、学びエイドに提供中の僕の文化史講座や、市販の参考書『タテヨコ総整理 世界史×文化史 集中講義12 新装版』(旺文社)

などを参考にすることをオススメします。

 

②ジャンルごとに時代をつなぐ

文化史学習に関しては、教科書通りの単元の区切りにこだわらない方が良い場合があります。

たとえば、

「17〜18世紀のヨーロッパ文化」
「19世紀の欧米文化」
「20世紀の文化」

という世界史後半における文化史の難所があります。

これらは内容も膨大ですから、
いっそのこと

「文学史」
「絵画史」
「哲学史」

などのようにジャンルを意識しながら時代をワープしていくのも手です。つまり、絵画史ならば17世紀のバロック美術から20世紀の超現実主義まで通しでやってしまうのです。

このやり方のメリットは、とにかく「流れ」が見えやすいこと。あらゆるジャンルを「文化史」という括りで無理やりまとめてしまうから無味乾燥なカタログになってしまうわけで、正しく細分化してつなぎ直せば再び血が通い始めるものなのです。
定期試験のように時代が区切られている場合は難しいかもしれませんが、受験勉強においては通史の学習が一定以上終わった後にまとめて文化史に取り組むことも多いため、上記のやり方は極めて有効です。

学びエイドを使った世界史学習

「学びエイド」という映像授業配信サイトをご存知でしょうか。全教科・全単元の講義動画を配信するサービスで、1日3コマまでは無料で視聴することができます。

筆者(鈴木悠介)も、
学びエイドに世界史の講義を提供しています。

そこで今回は、学びエイドで視聴可能な動画を活用した世界史学習法についてご紹介したいと思います。

学びエイドの鈴木悠介講座は以下の通りです。

鈴木悠介担当講座
①鈴木悠介の世界史詳説〈前近代〉
②鈴木悠介の世界史詳説〈近現代〉

③鈴木悠介の世界史演習〈基礎編〉

④鈴木悠介の世界史演習〈標準編〉

⑤鈴木悠介のセンター対策世界史

※2018年12月現在
勉強ルート

具体的な勉強ルートはこちらです。

まず①②の「世界史詳説」で通史の各単元を速習しましょう。
この講義では、鈴木悠介の執筆参考書『高校世界史をひとつひとつわかりやすく。』(学研プラス)の紙面を活用して、世界史の全範囲を解説しています。
1コマ5分、全てを視聴しても30時間で完成します。
こちらで自分にとって必要なコマだけをピンポイントで学習しましょう。

その後、問題演習に入ります。
問題演習は、通史知識を定着させるために必要不可欠です。

③④の演習講座では、鈴木悠介の執筆参考書『世界史単語の10秒暗記 ENGRAM2250』(学研プラス)の紙面を活用して知識の拡充を図りながら、各問題の解説を丁寧におこなっていきます。

現在、レベルは基礎編(センターレベル)と標準編(中堅私大レベル)に分かれていますが、難関編(難関私大レベル)も制作予定です。

なお、演習講座の章立ては、通史講座の「世界史詳説」と共通していますので、学びエイドで通史を学んだ方がスムーズに次のステップに入れる仕組みになっています。

学校や塾予備校で世界史を学び、通史理解がすでにある方は、いきなり演習講座に入っても良いでしょう。

そして⑤のセンター対策講義です。

こちらはセンターの傾向分析を行った上で、過去問を1問1問丁寧に解説しています。

センター試験は通史知識が縦横無尽に問われるテーマ史がほとんどですから、ある程度学習が進んだ段階で取り組んでみましょう。

特に、受験学年の方は、過去数年分を遡って視聴してみることをオススメします。

おわりに

以上が学びエイドを活用した世界史学習です。

基本的に学びエイドの中だけで学習を完結させることも可能なように講座設計をしていますので、どうぞご活用ください。

また今後もさらに講座は充実していく予定ですので、こちらもご期待ください!

◆学びエイドの鈴木悠介講座ページ
https://www.manabi-aid.jp/user/prof/2CF

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鈴木悠介——Yusuke SUZUKI[世界史]

予備校講師・参考書作家・予備校マニア・学参収集家。

著書『高校世界史をひとつひとつわかりやすく。』シリーズ(学研プラス)『世界史単語の10秒暗記 ENGRAM2250』(学研プラス)他。

鈴木悠介公式ホームページはこちら

12月の学習指針(世界史過去問演習)

さて、12月です。

いよいよ学校・塾予備校などで通史学習が完成し、赤本や青本を使用した過去問演習を本格化させている頃でしょうか。

この時期よく質問されるのが、

「早慶が第一志望なんですが、過去問はGMARCHから解き始めた方がいいですか?」

といった類のものです。

「前向きな絶望感」

結論から言うと、第一志望の過去問からバリバリ解きましょう。
受験勉強において「解き惜しみ」してもあまり意味がありません。

世界史の勉強にかけられる時間は限られている訳ですし、いきなり第一志望の過去問(できれば最新年度)を解いてみるのが一番です。

そこで想像以上に解けず、絶望することを無意識のうちに忌避しているのかもしれませんが、絶望するなら早い方がましです。とにかく、「倒すべき敵」の実像を過不足なく掴み切ることを優先させましょう。

すべてはそこから始まります。

残りの時間を最大限に有効活用するためにも、ぜひ今月中に一度、「前向きな絶望感」を味わっておきましょう。

きっと12月からの勉強の質が上がるはずです。

出題傾向把握のために

ところで、過去問演習で大切なことの一つに「最新の出題傾向の把握」がありますよね。

その目的のために、第一志望校に関しては是非、赤本や青本だけでなく、ネット上に各予備校が公開している解答速報(特に講評)をチェックしてみることをおすすめします。

予備校によって若干の分析の相違が見られたりと、
読み比べる過程でより深く出題傾向を把握することができます。
ぜひ参考にしてみてください。

習熟度の把握と優先順位

そして過去問を解いた後は、合格点を取るのに現時点の自分には何が不足しているのかを明確に言語化しましょう。

また、習熟度の低い単元がありありと浮かび上がるのも
過去問を解いた時です。
12月は苦手単元を撲滅する最後のチャンスだと思って、
通史の「穴」を丁寧に埋めていきましょう。

その際、教科書や用語集の目次などに、
習熟度別に

◆完璧・・・赤
◆まあまあ・・・黄色
◆まだまだ・・・青

というように、
単元名にマーカーで色を付けていくとよいでしょう。

残された時間は限られています。
優先順位を間違えないよう注意してください。
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鈴木悠介——Yusuke SUZUKI[世界史]

予備校講師・参考書作家・予備校マニア・学参収集家。

著書『高校世界史をひとつひとつわかりやすく。』シリーズ(学研プラス)『世界史単語の10秒暗記 ENGRAM2250』(学研プラス)他。

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用語集を使った世界史学習②

前回の記事で紹介した慶應世界史の正誤判定問題。

例題

以下の中から誤った記述を選び、その番号をマークしなさい。

 フランス革命やナポレオン戦争に際して、アメリカ合衆国は中立の立場をとり貿易で大きな利益をあげていた。

 アメリカ合衆国は、自国の客船ルシタニア号がドイツの潜水艦に撃沈されたのをきっかけに、第一次世界大戦への参戦を決めた。

 第二次世界大戦においても、アメリカ合衆国はヨーロッパで戦争が始まってから2年あまり後に参戦したが、参戦前から連合国を支持する姿勢をとっていた。

 アメリカ合衆国は、1949年に北大西洋条約機構の発足に参画し、集団的防衛体制を築いた。

正解はイです。

 アメリカ合衆国は、自国の客船ルシタニア号がドイツの潜水艦に撃沈されたのをきっかけに、第一次世界大戦への参戦を決めた。

誤っている点はアンダーラインを引いた箇所です。

①ルシタニア号は「自国」ではなく「イギリス」の客船である
②アメリカはルシタニア号事件の後に即、参戦を決めた訳ではない

以上からイが正解となる訳ですが、この問題は「第一次世界大戦」の単元で必ずと言っていいほど学習する「ルシタニア号事件」についての正確な理解が問われていたと言えるでしょう。

決して微細な用語を追求したからできるようになる問題ではありません。むしろ問われるのは、用語集の見出し語のインプット数ではなく、標準的な用語の「用語説明」をどれだけしっかりと読み込んでいたかどうかです。

正誤問題を得意にするには、標準的な用語を、その説明文も含めて深いレベルで習得することです。

そのための発想として、通常の「一問一答の逆」のアウトプットを心がけましょう。

普通、「一問一答」を使った世界史学習では、用語そのものを答える場合がほとんどですが、「用語をみて説明文を言える」のが次の段階です。もちろんこれはかなりハードですが、世界史の実力は飛躍的に向上することは間違いありません。とくに多くの受験生が苦手とする正誤・論述問題への効果的な対策にもなります。

「説明文」をアウトプットするのが難しい場合は、用語を説明するキーワードの箇条書きをしてみるだけでも違います。

実は、以前紹介した『世界史単語の10秒暗記ENGRAM2250』(学研プラス)には、上記の考え方が設計思想の根本にあります。

本書の紙面を見てもらえばわかる通り、すべての見出し語のすぐ横には「出題キーワード」と称した、その用語を説明するためのキーワード集が掲載されています。

そこで、「出題キーワード」から見出し語を連想できるようになったら、ぜひ見出し語から「出題キーワード」をアウトプットできるか試してみましょう。

こうした使い方ができるのも、「ENGRAM世界史」の特長の1つです。

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鈴木悠介——Yusuke SUZUKI[世界史]

予備校講師・参考書作家・予備校マニア・学参収集家。

著書『高校世界史をひとつひとつわかりやすく。』シリーズ(学研プラス)『世界史単語の10秒暗記 ENGRAM2250』(学研プラス)他。

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用語集を使った世界史学習①

標準的な用語の習得

「世界史用語集・辞典の収録語数比較」では、各用語集の収録語数にこれほど違いがあることに驚いた方もいるかもしれません。そしてまた、受験生のバイブルとされる山川出版社『世界史用語集』の収録語数が他と比較すると少し頼りなく感じたかもしれませんね。

ただし注意したいのは、難関大入試において、細かすぎる用語を追いかけすぎるのは考えものだということです。

確かに早慶をはじめとする難関私大では、一部の用語集や図説にしか載っていないような用語が出題されることもあります。

例えば2018年の早稲田大学文化構想学部の入試問題では、語句記述問題として「アール=ヌーヴォー」が出題されました。この用語は、2014年以前に流通していた山川出版社『世界史B用語集』には頻度①で掲載されていましたが、今の受験生が使用する新版『世界史用語集』には掲載されていません。

現在、この用語が見出し語として掲載されている用語集は実教出版『五訂 必携世界史用語』だけです。

とはいえ、このような微細な用語を問う問題の出題数は全体からすれば僅かであり、また対策を立てにくいこともあって他の受験生との差も付きにくいものです。

もちろん、世界史がもともと得意で、早慶入試では確実に9割を越えたいという目標を持つのであれば、上に挙げた収録語数の多い用語集を活用して、未知の用語を極限まで減らしていくのも一つのやり方ですが、多くの普通の受験生にとってより効果的なのは、標準的な用語の周辺知識を増やす学習です。

いわゆる難しめの入試問題では、単に細かい用語を問うているから難しいということは少なく、「標準的な用語に関してどれだけ正確な理解をしているか」を問うことが多いのです。

例を挙げましょう。2014年の慶應義塾大学法学部の問題です。ぜひチャレンジしてみてください。

例題

以下の中から誤った記述を選び、その番号をマークしなさい。

 フランス革命やナポレオン戦争に際して、アメリカ合衆国は中立の立場をとり貿易で大きな利益をあげていた。

 アメリカ合衆国は、自国の客船ルシタニア号がドイツの潜水艦に撃沈されたのをきっかけに、第一次世界大戦への参戦を決めた。

 第二次世界大戦においても、アメリカ合衆国はヨーロッパで戦争が始まってから2年あまり後に参戦したが、参戦前から連合国を支持する姿勢をとっていた。

 アメリカ合衆国は、1949年に北大西洋条約機構の発足に参画し、集団的防衛体制を築いた。

いかがでしょうか。

次回は、この問題の解答・解説を踏まえて、どのような知識が要求されていたかを検証するところから話を始めたいと思います。

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世界史用語集・辞典の収録語数比較

現在出回っている主要な世界史用語集と辞典を比較・選択する際、ひとつの基準となるのが収録語数ではないかと思います。

もちろん実際は単純な収録語数以上に、それぞれの用語集・辞典に個性が存在する訳ですが、なんとなく明らかにしておきたくなるのが収録語数ですよね(笑)

ということで、ランキング形式で一覧にしておきます!

用語集編

まずは用語集。

◆1位

『詳解 世界史用語事典』(三省堂)
→8200語

◆2位

『五訂 必携世界史用語』(実教出版)
→7700語

◆3位
『改訂版 必修世界史B用語集』(旺文社)→6700語

◆4位


『世界史用語集』(山川出版社)→5600語

辞典編

次に辞典です!

◆1位

『角川 世界史辞典』(角川書店)→14000項目

◆2位

『山川 世界史小辞典 改訂新版』(山川出版社)→9400項目

◆3位
『旺文社 世界史事典 三訂版』(旺文社)→7200項目

※参考
『新編 西洋史辞典 改訂増補』(東京創元社)→5200項目
『新編 東洋史辞典』(東京創元社)→6000項目

 

ちなみに大学受験生へのオススメは、

用語集

◆早慶上智入試で「高得点」を狙いたい受験生

『五訂 必携世界史用語』(実教出版)

◆その他受験生

『世界史用語集』(山川出版社)

 

辞典
『旺文社 世界史事典 三訂版』(旺文社)

です。

さて、今回は各用語集・辞典の収録語数を見てきた訳ですが、
それを踏まえた上で、
次回はどういった用語集
どのように学習するのがオススメかを

「用語集を使った世界史学習①」
「用語集を使った世界史学習②」

で解説していきたいと思います。

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鈴木悠介——Yusuke SUZUKI[世界史]

予備校講師・参考書作家・予備校マニア・学参収集家。

著書『高校世界史をひとつひとつわかりやすく。』シリーズ(学研プラス)『世界史単語の10秒暗記 ENGRAM2250』(学研プラス)他。

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高1・高2の世界史学習③ 

「メンテナンス」と「ブラッシュアップ」

前回の記事で,
「教科書通読」を中心とした「通史学習の大まかな先取り」は,大きく2つの点からすすめられない旨をお伝えしました。

上記を踏まえたうえで筆者が推奨するのは,
既習単元の〈メンテナンス〉と〈ブラッシュアップ〉
に徹する学習です。

既習単元というのは,すでに高校で授業を受け,定期試験などに向けてそれなりに勉強した経験のある単元のことです。

世界史は必修科目ですから,
高校3年に上がるまでに世界史教科書のおよそ半分は「既習単元」となっていることが多いと思います。
これは本来,受験勉強における大きな「資産」なのです。
この「資産」の価値を最大限に高めた状態で受験学年を迎えましょう,というのがここでの提案です。

先述の比喩でいえば,〈塗り絵〉が「半分は確実に完成した状態」で本格的な受験勉強を開始する戦略を構築するわけですね。これに成功すれば,難関大学の現役合格に大きく近づけること請け合いです。

ところで,当然ながら「既習単元」は放っておけばその理解度や用語の定着度が下がっていきます。
そこで高1・高2生は, このような「資産価値の目減り」を食い止めること(メンテナンス)にまずは全精力を傾けるべきです。
その上で,余裕があれば既習単元の知識を入試レベルに高めましょう。これが〈ブラッシュアップ〉です。
実はこうした過程においてこそ,前回紹介した動画授業や講義型参考書を活用して欲しいのです。

解いていきたい問題集

そして,
ブラッシュアップの学習段階では,
積極的に市販の問題集を解きましょう。

具体的にはまず,

『はじめる世界史 改訂版』(Z会出版)

などで肩慣らしをし,
その後で,かなり難しく感じるかもしれませんが,


『ヒストリア 世界史精選問題集』(学研プラス)
などに取り組むと良いでしょう。

これにより実際の入試の水準が把握できます。

なお,既習単元に関しては,例えば『ヒストリア』の問題が7割正答できる状態を目標に設定するなど,学習の終着点を設けておくとモチベーションも維持できます。

それでは最後にまとめです。

〈高1・高2生の世界史学習〉
× 世界史は高3から始めればなんとかなる
× 教科書くらいしか持っていないから教科書だけで勉強する
× 内容があまり頭に入ってこないが,とにかく自力で古代から戦後までやってしまう

膨大な内容を習得するためには正しい戦略が必要
高1・高2生も参考書や動画授業をどんどん活用するべき
高1・高2での既習単元を確実な武器にできるかどうかが受験の勝敗に大きく影響する

ぜひ万全の受験勉強計画を立てて
「正しい努力」を積み重ねましょう。

皆さんの頑張りに期待します。

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鈴木悠介——Yusuke SUZUKI[世界史]

予備校講師・参考書作家・予備校マニア・学参収集家。

著書『高校世界史をひとつひとつわかりやすく。』シリーズ(学研プラス)『世界史単語の10秒暗記 ENGRAM2250』(学研プラス)他。

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高1・高2の世界史学習②

前回の記事で,やる気にあふれた非受験学年の高校生がトライして挫折するのが,「教科書通読」を中心とした「通史学習の大まかな先取り」だと紹介しました。

その原因は,①学習ツールが初学者の使用に最適化されていない「教科書」である点や,②通史理解の学習過程を自分一人で抱え込んでしまっていることであると考えられます。

まず,それぞれに対する具体的な処方箋を示したいと思います。

①に対して:無料の動画授業や講義系参考書を使う

そもそも,教科書は世界史を学び始める人が理解できるようには書かれていません。それはページ数に上限があるからです。一通り世界史学習が進んだ段階で読むと,非常にコンパクトに史実の整理された優れた文章だと分かるのですが,初心者が読んでも歴史が嫌いになるだけです。

そこで必要なのは,
教科書の「行間」を解説してくれるツールです。
かつては『ナビゲーター世界史』(山川出版社)『青木世界史B講義の実況中継』(語学春秋社)といった〈講義系参考書〉がその役目を果たしてくれたのですが,現在はYouTube上に世界史の各単元を分かりやすく解説した動画がいくらでも見つかる時代です。こちらも活用しない手はないでしょう。

筆者(鈴木悠介)も,執筆参考書

『高校世界史をひとつひとつわかりやすく。』(学研プラス)
[詳しい紹介はこちら]
を使って世界史の全単元を解説した動画を
「学びエイド」というサイトで提供していますので,
ぜひ参考していただければと思います。

もし,「参考書や動画授業は受験生になってから手を出すもの」という認識があったら,ぜひ改めましょう。

②に対して:無理に「単元の先取り」をしない

非受験学年のうちに,世界史を「一周」しておきたい気持ちはよくわかります。しかし,その場合,学校で習った単元以外は基本的に「自学自習」することになるわけです。

①で紹介したように,
現在は自学を助けるツールが充実してきているのは確かですが,
それでも負担が大きいのが現実だと思います。
また,「広く浅く世界史全体を見通しておく」勉強も,実はあまりオススメしません。

つまるところ,世界史の受験勉強の基本はデリケートな〈塗り絵〉です。各単元において緻密な理解を積み重ね,入試レベルまでの知識を高い水準で定着させていく高度な営みです。

それを考えた時,大きな負担を引き受けつつ未習単元の「自学自習」に没頭し,「広く浅く」通史全体の学習に取り組むのはあまり得策とはいえません。

そうした学習では,結局は世界史全体を雑につまみ食いしただけで,多くの場合,自己満足で終わる可能性が高いと思われるからです。何よりも,「広く浅く」の学習では,どこまでやれば「ゴール」なのかが見えにくいため,モチベーションも維持しにくいものです。

さて,次回の記事ではいよいよ,以上を踏まえた上で筆者が推奨する具体的な学習法について話を進めていきたいと思います。

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高1・高2の世界史学習①

今回から3回にわたり,現在高校1年・2年の方に向け,1年後(2年後)の大学入試を見据えてどのような学習を心がけて欲しいかについて述べていきます。

世界史は膨大な情報量を扱う科目です。

高校で世界史を履修した方であれば,定期試験直前に試験範囲のノートやプリントを一夜漬けで丸暗記してしのいできた経験もあるかもしれません。

しかし,全時代・全地域を対象とし,
かつ出題形式も「マーク」「記述」「正誤判定」「年代整序」「論述」など多岐にわたる〈大学入試〉の対策は, そう簡単にはいきません。

具体的な数字を出しましょう。

現在,もっとも多く(占有率約50%)の高校で採択されている
『詳説世界史』(山川出版社)の本編ページ数が
およそ400ページ。
そして世界史受験生必携の
『世界史用語集』(山川出版社)に収録された用語は
約5600語。

これが受験世界史の基本的なスケール感です。

先を見越した計画学習

世界史の受験勉強とは,ごく大ざっばに言えば,上記のコンテンツ全てを正確に理解した上で記憶し,「自分のもの」として自在にアウトプットできるようになることを言います。

そのために要求される「知的な体力」は,かなりのものです。

ですから,その達成のためには,1にも2にも,「早くから始めること」が大切です。

もちろん,高3の春,ゼロから学習を積み重ねて早慶に合格する水準まで学力を伸ばす生徒もいます。
しかし,それには相当な受験への覚悟や本人の性格,
さらには

「暗記が得意だったか」
「世界史を好きになれたか」

などの個別的な要素が関わってきます。
つまり,ある種の「適性」にどうしても左右されてしまうことが否定できません。

これを読んでいる皆さんは,
せっかく時間的な余裕がある非受験学年なのですから,
将来「難関大学」合格を確実にしたいと考えている方に対しては特に,「今から始める」ことをオススメします。

先を見越した計画的学習こそが,
受験においては「適性」を超える有効打となるのです。

では, 大学受験を見据えて,
高1・高2生が取り組むべき世界史学習とは
どのようなものでしょうか。

よく,やる気にあふれた非受験学年の高校生がトライして挫折するのが,「教科書通読」を中心とした「通史学習の大まかな先取り」です。

この学習が挫折しやすいのはなぜなのでしょうか?
次回はその答えから話を広げていきたいと思います。

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問題集を使って世界史を習得するには?

問題演習のメリット

膨大な情報のインプットが要求される世界史。
その効率的な習得には問題演習が欠かせません。

世界史学習において、問題集を解くことで得られるメリットは、大きく2点です。

①入試での問われ方やその解法を掴むことができる
②既習単元の確実な知識定着を図ることができる

「格闘」という落とし穴

今回、特に強調したいのは②。

世界史を学習する過程で陥りやすいのは、学校・塾予備校・動画授業などで使用したテキストやプリント、板書ノート(以下「テキスト類」と表記)だけにしがみつき、それとの格闘に終始してしまうことです。

この場合の「格闘」とは、テキスト類をただ眺めたり、付箋を貼ったり、ラインマーカーを引いたり、用語集で調べたことを書き込んだりすることです。
また、内容を全部頭に入れようとして歴史用語を別紙に繰り返し書いて覚えたり、教材を音読したりするといった行為を加えても良いでしょう。

受験生がこうした「格闘」に終始しがちな背景としては、

・問題を解くよりストレスがかからず楽
・テキスト類には入試に出題される情報が全て掲載されている安心感がある

などが考えられます。

たしかに情報の網羅性についてはその通りなのですが、はたして膨大な内容を力技ですべて暗記できるのでしょうか?

そこで問題演習が必要になってきます。

テキスト類などの〈知識の核〉をひとつに決めたら、 その内容の定着度を上げるための「手段」として問題集を解きます。

問題演習に取り組むことは、

・答えを間違える
・せっかく覚えたのに思い出せない
・自分の頭の悪さに嫌気がさす

といったストレスがかかります。

ストレスは、刺激です。
刺激的だからこそ、知識が脳に刻まれます。
「寝た知識を起こす」営みが問題演習ともいえるでしょう。

以下は、その理想的な取り組み方です。

理想的な取り組み方
テキスト類の理解度・定着度が70%程度になったら
基礎〜標準レベルの問題を解く


テキスト類の理解度・定着度が90%程度に上がる

発展レベルの問題を解く

テキスト類の理解度・定着度が100%に!

この仕組みを早くに構築し、各単元ごとに淡々と回していくのが得点力向上の近道です。

ポイントは、最初から完璧を求めないことです。
不完全で少々アヤしい知識のまま問題集に取り組んでしまう「軽率さ」が大切。

ぜひ問題演習から逃げずに、効果的に成績を伸ばしましょう。

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鈴木悠介——Yusuke SUZUKI[世界史]

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