「現代文」カテゴリーアーカイブ

国公立現代文⑤――要約記述の解法

こんにちは。

いよいよ国公立大学の受験まであと数日となりました。私大入試も終わり、手応えがあったり、なかったり‥‥そして良い結果が出ていたり、出ていなかったり‥‥という日々を送っていますかね。

私大入試と国公立大入試の関係はあるようで無いです。今も昔も私大はボロボロだったけれども国公立大は合格した、という人間は相当数存在します。求められる力が異なりますからね。ここに向けて調整してきた皆さん、頑張りましょう。

さて、今回のテーマは要約です。一橋大学や首都大学東京などでも出題されますし、北九州市立大学などで出題される小論文でも必要になります。手順を確認していきましょう。

要約の手順①――通読作業

文章全体を通読しながら、論構造を把握しましょう。

押さえるべき論構造
・抽象と具体
・対比
・繰り返し
・因果関係
・結論

 

抽象と具体

要約の基本は「抽象部分の抽出」です。よってこの作業は必須であると心得ましょう。

対比

対比は対比されている「項目」とその「要素」、さらには「相違点と共通点」の確認を忘れずに。

繰り返し

同じことを言っている部分があれば、「どの段落と同じか」を分かるようにしておきましょう。

因果関係

文章中で因果関係が形成されている箇所も注意しましょう。特に結論についての因果関係が形成されているのであれば読み落としのないように。

結論

要約文で最も欠くべからざる要素は「結論」です。その文章の筆者が何を言いたいかをつかんでいきましょう。

要約の手順②――必要な要素をまとめる作業

これらの作業を踏まえて結論を中心に論をまとめていきます。
その中で、必要な作業は以下の通りです。

押さえるべき論構造
(1)抽象表現をまとめる
(2)重複を避ける
(3)論理展開を確認し再現する

 

(1)抽象表現をまとめる

要約の基本は「抽象部分をまとめること」です。よって、基本的に本文中から抽象箇所を抽出します。
一方で「具体例は完全に排除して良いのか」という疑問も出てくると思います。これはケースバイケースとしか言えないのですが、基本的には抽象をまとめる、という認識で構いません。あまりに具体部分が長く、全体の内容に反映させるべきであれば、具体例をコンパクトにまとめて、内容に反映させましょう。

(2)重複を解消する

要約文で同じことを2度書く必要はありません。通読時に確認した重複箇所のうち、より抽象的な表現を採用しましょう。

(3)論理展開の確認と再現

要約文は一応課題文を縮小再現するので、その論理関係もうまく再現できているか、を確認しましょう。①で確認した対比や、因果関係などを答案に再現しましょう。

最後に――要約問題は結論をおさえる!

要約問題における最大のポイントを挙げるとすれば、「結論ありき」であるということです。具体例をどの程度反映させるか、などは文章ごとに違いが出てくるとも言えますが、結論を反映し、そこに向けて文章を組み上げる、ということはどの要約文でも間違いなく必要なことです。その点を忘れずにまとめるようにしてください。

それでは!
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武川晋也——Shinya TAKEGAWA

首都圏、西日本の予備校に出講する現代文講師。また、某塾では最難関高校入試の対策講座を担当している。

文章の情報構造を客観的に把握しつつ、その意味内容の理解に深く斬り込む授業に定評あり。

ラーメンが好き。阪神タイガースはもっと好き。

国公立現代文④ーー理由説明問題編

こんにちは。

いよいよ国公立大学の入試まで10日を切りましたね。前期試験のセンター得点分の結果も確定し、いよいよ本番に向けた最終調整の時期になりましたね。この時期は私大入試の真っ只中でありタスク過多になりがちですが、国公立大学が第一志望なのであれば、ひと段落したら過去問演習など、必要な対策を行いましょうね。

そして現代文の対策はこのシリーズを再度追いかけることで作業のイメージを固めていただけると幸いです。

 

さて、今回は「理由説明」についての問題です。

理由説明を考える


羽場先生が書かれた上の記事と重複する部分もありますが、私なりに理由記述問題解答のメソッドをお伝えしたいと思います。

単純な理由説明型問題2つのパターン

単純な理由説明型問題には傍線部や設問条件の内容から2つのパターンに分類が可能です。

すなわち、

①「因果の不足」型
②「結果」型

 

の2つ。それぞれ見ていきましょう。

[現代文]高3になる前に準備しておきたい3つのこと

センター試験(本試験)から3週間が経ちました。(※2月11日現在)
…ということは,現高2生のみなさんが受験することになるセンター試験(2020年1月18ー19日)まで残り1年を切っているんですよね。はやいですねぇ。

いよいよ迎える本格的な受験生としての1年間を過ごすこととなるにあたり,どのような点に意識を向けていきましょうかね。

新年度までに取り組みたいことは3つ

新年度までに取り組みたいことーー「すでに取り組んでいる」という人も改めて確認したいことーーは3つあります。

・語彙力拡充
・本文読解の基本を確認
・知識の獲得

この3つを意識して勉強しつつ,新年度に向けた基礎を作り上げていきたいところです。

以前,非受験学年の現代文学習について書いたこちらの内容と項目自体はほぼ同じ。

現代文の学習指針①(高1・2生)


もちろん時期によって段階はありますが,現代文の学習ってこれを意識し続けないといけないんですよね。いつでも。

では,それぞれの点について少しずつ掘り下げていきます。

新年度への準備①ーー「頻出語彙」を理解する

強靭な語彙力を持つ受験生とそうでない受験生と,どちらの方が安定した文章読解ができると思いますか?

答えは言うまでもなく,「強靭な語彙力を持つ受験生」です。文章に書かれている内容を理解するためにも,記述解答を書くためにも,やはり言葉というものを知らなくてはなりません。

そのためにも,これから触れる文章の中で出会った言葉をその都度調べながら少しずつ使いこなせる言葉を増やしていくわけですが,この時期にまずはある程度まとめて「頻出語彙」と呼ばれるものと向き合ってみることをお勧めします。

おすすめは,語彙同士の関係性を掴みやすいこちらの参考書。

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国公立現代文 特別編ーー現代文を「読む」

こんにちは。
2月もそろそろ10日に達しようとしております。受験生の皆様は出願する大学、学部が決定し、並行して私立大学の受験が始まっていて…というタイミングでしょうか。

国公立大学の受験に向けて、特に「記述問題の解法という観点から書いているこの連載、今回は趣向を変えてお届けします。

現代文は本来「読めなければ解けない」科目である

現代文は本来、「読めなければ解けない」科目であり、「読めれば(ある程度は)解ける」科目であります。

ここから導き出されること。それは…

「文章を読まないで問題を解くことは避けるべきである」

このことを強く伝えておこうと思います。

しっかりと文章を読み、書き手の言いたいことを掴む練習をしましょう。普段、通っている予備校や塾がある方は信頼できる先生の読解法を定着させるために過去問の文章を読み、私大の文章を読み、準備を進めてください。

ではどうやって読んだら良いのか…という方のために簡単なポイントとお勧めする参考書を挙げていきます。

評論の読解作業ーーマクロ作業編

①抽象と具体
②対比と繰り返し
③論のまとまり

①抽象と具体
・筆者の主張(=抽象)と例(=具体)を識別する
・抽象を中心に読み進める。
・抽象と具体の対応関係を考える。
(具体例がどの抽象部分に対応するかを確認。)

 

②対比と繰り返し
・筆者の(論)を際立たせるために比較を行うのが対比
・対比されている事項の相違点/共通点を確認する。
・抽象/具体や同一内容の繰り返しは散見される。
・繰り返しの内容は重要であると判断する。

 

③論のまとまり
・論の展開の切り替え点を見極める。
・「今の話題は何か」を考える。
*解答根拠を考える範囲を確定させることにも役立つ。

 

評論の読解作業ーーミクロ作業編(重要表現の把握)

本文中の「筆者の主張」が示されている部分はcheckをする。

Ex. 直接的に筆者の主観を示す表現
A.心情
B.評価・強調

A.心情
文章中の意見・感想・心情は断りがなければ筆者の主観。
 a と思う/感じる/考える/気がする。(意見・感想)
 b は面白い/許せない。(心情)

 

B.評価・強調
以下の評価を下しているのは筆者である。
 a は 重要だ/注意すべきだ/必要だ/問題だ<重要系>
 b  は 本質だ/特徴だ/原理だ/前提だ<基礎系>
 c  こそ …だ。<特筆>
 d  は 最も/何よりもまず…<その他>

☆読解作業のゴール地点はあくまでも筆者の主張を把握することです。上記の事項を頭に入れた上で各文章と向きあいましょう!

とはいえ、上記のことは「概論」であって、実際に使わないと意味がありません。以下にいくつかの参考書、問題集を挙げさせていただきます。練習によって「実践」を重ねていきましょう。

おすすめの参考書

『池上の短文から始める現代文読解』

論の構造を把握することが設問の解答につながっていくことを理解できます。各章レベルが3段階に設定されているので着実にレベルアップも可能。

こちらは以前下の記事で紹介されております。

池上の短文からはじめる現代文読解

『現代文基礎読解ドリル』

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そもそも文章を読むことを放棄していた…という人にはこちら。

それでは!

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武川晋也——Shinya TAKEGAWA

首都圏、西日本の予備校に出講する現代文講師。また、某塾では最難関高校入試の対策講座を担当している。

文章の情報構造を客観的に把握しつつ、その意味内容の理解に深く斬り込む授業に定評あり。

ラーメンが好き。阪神タイガースはもっと好き。

国公立現代文③ーー換言問題編

こんにちは。

バリバリ過去問、解いてますかー!?(猪〇風)

さて、このシリーズもいよいよより具体的な設問解答の方法論について説明していく段になりました。今回は、評論の記述問題において非常に多く出題される「換言問題」についてのお話です。まずは設問の分析から押さえていきましょう。

換言問題の考え方①設問分析

設問から、
換言or理由/条件の有無を確認<前提作業>

A 換言 : 「どういうこと」/「説明しなさい」など
B 理由 : 「なぜ」/「どうして」など
C 条件 :  設問の条件を踏まえて傍線部を分析する。

 

当たり前の話なのですが、問われていることに答えなければ得点になりません。ABももちろんのこと、Cの「条件の有無」については特にしっかりと確認をしていきましょう。

換言問題の考え方②傍線部(条件)分析

換言問題は、「傍線部」(または条件)を言い換えることが求められている設問です。よって、傍線部や条件をしっかりと分析したうえで、その要素、関係性に注意しながら言い換える必要があります(この目標を見失ったまま「なんとなく」作成した解答は散見されます)。

仮に傍線部が「A+B+C」という構成要素であれば、「A‘+B’+C‘」という内容を目指して言い換えていきます。

換言問題の考え方③確認したい要素

そして、傍線部(条件)に以下の要素が含まれている場合は真っ先に確認し、言い換えていきましょう。

① 指示語
② 比喩
③ 特殊表現

それぞれのポイントを確認していきます。

指示語
指している内容を明確にしましょう。もちろん「前」を見ることも大事ですが、指示語の「後」にもヒントがあることも多いです。確認を忘れずに。

 

次に比喩。

比喩
比喩を比喩のまま残してはいけません。
適切に置き換える必要があります。

 

どのように考えるか、
「雪のような肌」という表現を使って考えてみましょう。

⑴ 比喩そのものの意味を考える。
→「雪」の性質 : 「白い」「冷たい」…

⑵文脈から意味を確定させる
・肌の色の話をしている  → 「白い」肌
・肌の温度の話をしている → 「冷たい」肌

比喩の把握については、過去にこんなことを述べています。

国公立大学記述対策②~記述の基礎その2

特殊表現
文章中で筆者が作った言葉や特別な定義を与えられている言葉(「」がついている言葉など)も言い換える必要があります。本文中から読み取り、置き換えていきましょう。
換言問題の考え方④全要素を換言し、関係性を反映

ここまでに書いたことはもちろんなのですが、その他の部分も換言対象であることを忘れずに。傍線部問題は傍線部を全て換言することが要求されます。よって、傍線部表現をそのまま使わず、完全に言い換えることを意識しましょう。

そして、設問におけるA、B、Cの関係性(主語・述語/因果関係など)もそのまま適用していく必要があります。文章を組み立てる上でしっかりと確認しておきましょう。

換言問題の考え方⑤言葉の選び方に注意する

基本的には「本文中の言葉」を用いて言い換えたほうが良い。しかし、本文中に適切な表現が見つからない場合は適切な言葉を「本文中にない言葉」であっても選択すべきである。(むろん、語彙力が必要であることは言うまでもありません)

番外編――「具体的に説明せよ」

「具体的に説明せよ」という設問条件がある場合、「具体例」を用いて答えることではなく、「わかりやすく説明する」ということであることに注意しましょう。

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武川晋也——Shinya TAKEGAWA

首都圏、西日本の予備校に出講する現代文講師。また、某塾では最難関高校入試の対策講座を担当している。

文章の情報構造を客観的に把握しつつ、その意味内容の理解に深く斬り込む授業に定評あり。

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国公立大学記述対策②ーー記述の基礎その2

こんにちは。
前回は記述の基礎について列挙しました。

国公立大学記述対策①~記述の基礎その1


今回はこの中で触れた三項目について各論を述べさせていただきます。

①構文の正しさ

「日本語文としての正しさ」というべきでしょうか。
記述答案を作成し終わった際に、
以下の点が正しいかどうかを確認しましょう。

チェックポイント
⑴「主語-述語」の対応
⑵「修飾語と被修飾語」の係り受け
⑶「てにをは」などの「助詞の使い方」

解答の要素をいくら満たしていても、

「日本語文として」間違っている
(場合によっては「崩壊」している)

のであれば減点、場合によっては×となることがあります。

たとえば、「シンヤ」「サヤカ」「プレゼントする」という要素があるときに、

「シンヤがサヤカにプレゼントをする」

のか

「シンヤにサヤカがプレゼントをする」

のかでは「てにをは」の違いにとどまらず、
意味まで異なるのです。

書き上げた記述の構文の正しさは必ず確認しましょう。

②表現の正しさ

①との区別がつきにくいかもしれませんが、
こちらは主に2つの点から説明します。

表現の正しさの観点
⑴比喩、慣用表現の抽象化
⑵記述の抽象度(具体度)の確定
⑶指示語、代名詞の明確化
表現の正しさ(1)ーー比喩、慣用表現の抽象化

例えば、

「熊のような人」

を換言する問題があったとしましょう。
これを

「テディベアのような人」

と換言したらどうなるでしょう。

比喩を比喩で言い換えることはそもそもその比喩内容がお互いの共通理解として成立していれば可能ですが、採点間との間にそれは難しいでしょう。


(たとえば、私のこの写真を見たことがない人には私のクマらしさは全く伝わらないので、
「熊のような人」ってどんな人?という問いに対して「武川のような人」と答えられてもわからないように。)

よって、比喩表現は適切に抽象化して換言する必要があります。

表現の正しさ(2)ーー記述の抽象度(具体度)の確定

時期によっては質問が最も多く出る事項の一つが、

「どの程度抽象化すればいいのか
(=具体例を使ってもいいのか)」

ということです。

基本的には
「一般化」「抽象化」して答えていくことが求められる
という認識で構いません。

しかこれは一般化がしづらく、
それこそ「設問による」と言わざるを得ないです。

よって、実際の作業としては、
身近な頼りになる先生に記述の添削をお願いし、問題ごとに表現の抽象度について聞いていくことが良いと思います。

念のため、
「抽象と具体」の含み持つ意味合いについて触れておきます

抽象と具体

抽象
→意味の範囲が広い
Ex.果物が好き
→(恐らく)りんごもみかんもバナナもドリアンも好き。
具体
→意味の範囲が狭い
Ex.みかんが好き
→りんごも好き?バナナは?ドリアン‥‥?
(つまりわからない)

 

冒頭に「基本的には抽象的に」といったのは

「具体的な内容の記述は限定的な意味内容になってしまう」

ということを踏まえてのことでした。

とは言え、
繰り返しますが設問によってその度合いは変わってくるので、
傍線部箇所、設問の指示を分析することによって
抽象度、具体度を確定させましょう。

表現の正しさ(3)ーー指示語、代名詞の明確化

指示語のみならず、代名詞表現も明確化が必要になります。
たとえば、こんな記述答案のケース。

「彼があれをそうしたことでこうなった」

うん。何が何だか全くわからない笑

「あれ」「これ」「そう」の内容は必ず明確化しましょう。

上記の話は「言われなくたって分かるわ!」と思いますが、
代名詞表現はどうでしょう。

無論、
「私」や「彼」という人称代名詞のみが
本文で使われているなら
そのまま使わざるをえませんが、
「固有名詞」や「一般名詞」に置換が可能であれば
換言してしまいましょう。

③内容の正しさ

①②を踏まえ、記述内容の正しさに入ります。

無論、③が正しくない限りは①②も意味が無いのですが、
設問や条件の指示、
傍線部を確認した上で正しい答案を目指しましょう!!

‥‥って、そこをどうするか、教えろよ!!となりますよね。
分かっております。
この点についてはまた次回以降複数回に分けてお話をします。

それでは!

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武川晋也——Shinya TAKEGAWA

首都圏、西日本の予備校に出講する現代文講師。また、某塾では最難関高校入試の対策講座を担当している。

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国公立大学記述対策①ーー記述の基礎その1

こんにちは。
センター試験が終わりましたね。
国公立志望の皆様は出願先が決まった頃でしょうか。

それぞれに思うところはあるでしょうが、
終わってしまったことは変えられません。

しかし、未来はまだ変えることができます。

国公立試験まであとひと月。
そこまでにやれることを精一杯頑張りましょう!
そしてこのシリーズが
皆様の合格の一助になることを願っております。

記述の基礎〜概論〜

さて、今回のテーマは「記述の基礎」についてのお話です。
前回は「センター試験を使って記述的思考力を鍛える」ことがテーマでしたが、今回から記述を「書く」ためのマインド、そして作業についてお話させていただきます。今回はその基本的なことについてまずは概論的にお話をさせていただきます。次回の投稿でその中身を各論的に検討していきます。

部分点ぐらい…?

さて、そもそも記述問題を「解答欄に文字を詰め込めば部分点ぐらいはもらえるだろう‥‥」と思っていませんか?

そんなわけがありません!!

当たり前ですが「問い」に対して正しく「答え」ることが得点発生の基準です。そしてそのクオリティによって点数が加減されるのです。

そのクオリティはそもそもの解答内容の正しさが前提となりますが、一方で日本語文としての構文、表現の巧拙によって加減がなされます。

すなわち「俺は/私はこう思っているんだ。わかるだろう??」という独りよがりな答案ではなく、採点者にも客観的に伝わる文章を書くことが肝要となります。

では、どのような点を意識して書くべきなのかの項目を以下に挙げさせていただきます。

すなわち、

①構文の正しさ
②表現の正しさ
③内容の正しさ

それぞれを簡単にまとめると…

①構文の正しさ
日本語文としての正しさ。
(文法、構文がおかしくないかの確認)

 

②表現の正しさ
記述の構成要素の抽象度(具体度)の選定。
不適切な表現がないかの確認。

 

③内容の正しさ
設問条件を踏まえた解答になっているか。

各論についてお話をしたいのですが、
そうすると記事が本当に長くなってしまいますので、
次の記事にてお話したいと思います。

それでは!

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武川晋也——Shinya TAKEGAWA

首都圏、西日本の予備校に出講する現代文講師。また、某塾では最難関高校入試の対策講座を担当している。

文章の情報構造を客観的に把握しつつ、その意味内容の理解に深く斬り込む授業に定評あり。

ラーメンが好き。阪神タイガースはもっと好き。

国公立大学記述対策⓪ーーセンター試験で記述力を鍛える

こんにちは。
現代文の講師をしております
武川晋也(タケガワシンヤ)と申します。

この度、縁あって「国公立大学記述対策」についての記事を書かせていただくことになりました。

「字数さえ埋めれば良い」
「なんとなく傍線部の前後をまとめる」

という作業ではない記述答案の作成のための適切なプロセスをお伝えし、皆様の合格に役立つような記事を作っていけると良いなぁ、と思っております。

センター試験の問題が記述対策になる??

さて、この記事の執筆時点で残すところセンター試験まで十日余り。国公立大学を志望している皆様はセンター試験に向けての対策が佳境に差し掛かっていると思います。思い返せば15年前、受験生だった私は苦手だった数ⅡBと、対策の着手が遅かった生物の勉強で四苦八苦しておりました。

そんな個人的な感慨はさておき、

「国公立大学の問題は記述だからマークシートのセンター試験は別作業だし無関係」

と選択肢だけを見て答えを出そうとしたり、傍線部の前後だけを見てテキトーに答えを出そうとしていませんか?

それ、非常にもったいないですよ!

センター試験の現代文の問題も記述対策になります!!

よって今回は傍線部分析という観点から国公立大学の記述解答に繋がるようなセンター試験の対策法についてお話しつつ、今後の記事内容の方向性を示していきたいと思います。

センター試験 第1問で記述対策をしてみる

どの大学でも出題されるといっても過言ではない評論の問題ですが、基本的に以下の二つの方向性の設問に分類されます。

設問のパターン
A 換言 : 「どういうこと」/「説明しなさい」
B 理由 : 「なぜ」/「どうして」

それぞれの問題の記述作成のアプローチ方法は次回以降に細かく触れていきます。このA・Bはともに選択肢であろうと記述であろうと解答の根拠を考えるところまで作業としては同じになることに気づいていただくことが今回のテーマです。

なお、Bの理由につきましては先日の羽場先生の記事にて紹介されておりますので、ここではAの換言の問題について実際のセンター試験を用いてアプローチの方向性について確認をしていきます。

理由説明を考える

傍線部X「タケちゃんのいじられ方が変容している」とあるが、それはどういうことか。その説明として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

理由説明を考える

みなさま明けましておめでとうございます。
本年もEducational Loungeをどうぞよろしくお願いいたします。

さて,今回はですね,
新年一発目の記事ということで,
現代文の中でも理由説明問題について考えてみることを通して,「視野を広げていきたいよね」というお話を少ししてみたいと思っております(どうせまた少しじゃないだろうとか言わない。

Case1:雨が降ってきたから。

まずは次の例題を考えてみてください。
「これだけじゃ判断できない」とは言わないお約束。笑

例題1

次の文章を読んで,後の問いに答えなさい。

雨が降ってきた。だから,傘をさした

問:下線部「傘をさした」とあるが,それはなぜか。

いかがでしょうか。
おそらくですが,解答するなら,

雨が降ってきたから。

と答えるのではないでしょうか。
(別の解答も考えられますが,ここでは一旦置いておきます)。

さぁ,今回のような問題で
仮に「雨が降ってきたから」と答える場合,
私たちはどのような思考回路をたどっているのでしょうか。
少し考えてみたいと思います。

過程をたどる①「雨が降ってきたから。」

この場合おそらく,

「直前に『だから』って書いてある!」
「だから,前が理由だ!!!!」

と考えているのではないかと思うのです私は。
で,この考え方自体は別に問題ではないんですね。
たしかに「だから」は,その前に書かれている内容が,「だから」の後ろに続く内容の理由を表す働きを持つわけですし。

それに,以前私が更新した記事でも,
一文に注目せよと言っていたわけで,
傍線部(下線部)を含む一文の中に接続表現があったら注目しておきたいというのは当然のように私の中にもあるわけですよ。

でも,この考え方だけだと少しうまくいかないこともあるんですよね。

Case2:雨が降ってきたから…????

では,続いて以下の例題を考えてみてください。

例題2

次の文章を読んで,後の問いに答えなさい。

雨が降ってきた。だから,傘を捨てた

問:下線部「傘を捨てた」とあるが,それはなぜか。

いかがでしょうか。
先ほどと同様,下線部の直前に「だから」がありますね。
ということはこちらも解答は,

「雨が降ってきたから。」

でOK ……ということにはならなそうだということにはお気づきなのではなかろうかと。

過程をたどる②「雨が降ってきたから…????」

なぜこの解答には違和感を覚えるのでしょう。
ざっくりと言うならば,

「雨が降ってきた」ということと「傘を捨てる」という行為との結びつきが弱いから

ということが言えるでしょう。
もちろん,ここでの「結びつきが弱い」というのが主観的な話だろうと言われればそれまでのことではありますし,実はそれが例題1で少しだけ触れた「別の解答も」に繋がるのですが。

でもまぁ,その件(別の解答)については別の機会に。

さて,本題。
ここではどう考えるべきなのでしょうか。

Case2の捉え方

例題2では,例題1のように単純に「だから」の前を解答にすれば良いというわけではなさそうでした。
とはいえ,我々は文章で表現されている内容から様々なことを読み取っていかなければならないわけです。

したがって,ここで意識しておかなくてはならないことは,「それでも『だから』が使われている」ということ。
何が言いたいかと言うと,

「だから」が用いられている以上,「雨が降ってきた」ことと「傘を捨てた」ことの間には何らかのつながりが想定されている

と考えることができるのではないかということです。
単純にこの二つの文だけを見るとつながりなどないように見えるかもしれませんが,おそらく繋がっているはず。
そのように考えてみると少し視野が広がるでしょう。

たとえば,次のように書かれていたらどうでしょうか。

例題2ー2


私は昔から,雨の日には傘を投げ捨て,とにかく雨に濡れたいと思っていた。
ある日,家まで続く道を歩いていると,急に雨が降ってきた。だから,傘を捨てた

ちょっと無理がある設定かもしれませんが……。笑
でも文章にこう書いてあったとしたら…?

あっ!「私」は昔から雨が降ったら傘を捨てて雨に濡れたいと思っていたのか!だから傘を捨てたのか!!

と把握できるのではなかろうかと。

もちろん,こんなに単純な話ではないことも多いですし,このケースもなぜそれが理由だと判断できるかはまた難しい問題であるわけですが……。
それについてはまた別の機会に(2度目の先送り。

とはいえ,今回皆さんにお伝えしたかったのは,

接続表現はヒントになることが多いけれど,
「接続表現があるから答えはこれ!!!」
などと単純化しすぎたり,
視野を狭めすぎたりすることなく,
視野を広く保ちながら文章を捉えていきたい。

ということでした。

あ,先送りにした問題はいずれ書きます。
きちんと。

それでは,2019年が皆さんにとって良い一年となりますように。

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羽場雅希——Masaki HABA

首都圏の予備校・高校に出講。

誰よりも自身が文章と戯れることを楽しみつつ、受講生の誰もが理解でき、かつ汎用性の高い考え方を提供する授業に定評がある。

現代文読解の第一歩〜「読める」への布石②

おさらい

前回の記事 では,「受験生と筆者/出題者を繋ぐ最も太いパイプは〝文章〟だ」ということを確認しました。
今回は,もう少しだけ歩みを進めてみたいと思います。
先にまとめ。

「読める」ための3つのステップ
① 一文を正確に捉える
② 文と文の関係を捉える
③ まとまり(段落など)の内容を捉える

こうやってざっくりとまとめてしまうと,「そんなことはわかっているけれど,これが難しいんじゃないか!」という声が聞こえてきそうですが,そこはもう少しお付き合いください。
ではいきましょう。

正確に捉える努力の必要性

文章を読んでいく上で,そもそも書かれている内容を「正確に」捉えることなんてできるのかという問題について考えなくてはなりません。要は,「筆者の言いたいことなんて,筆者しかわからないのではないか」という話ですね。

その意見もある意味では正しいでしょう。

結局のところは筆者の言いたいことなんて筆者しかわからないかもしれません。それは否定しません。

とはいえ…ですよ。

文章ではなく,面と向かっての話として考えてみましょう。
そうですねぇ,あなたが友人と会話をしているときに,相手と意見が食い違った時のことを考えてみてください。もっとシンプルにしましょう。口喧嘩をしてしまったときだと考えましょう。

そんなときに,自分の主張したことを相手が都合のいいように解釈してきたらどう感じますか? きっと,「言いたかったのはそういうことじゃない!」と思いますよね。
一方で,お互いに相手の言いたいことをしっかりと聞き,理解しようとした上でお互いの意見を言い合うなら,少しずつ解決へと進んでいく(ことが多い)のではないでしょうか。

普段の人間関係でも「相手の言いたいことは相手しかわからない」というのは変わらない。それでもやはり,「相手の言いたいことを理解する」よう努力することで円滑にコミュニケーションを図っているわけです。

そして,これが何より重要なことですが,「言わなければわからない」ことって多いのですよ。思っているだけでは伝わらない。
逆に言えば,「言われたこと,表現されたものを通して相手の意図を理解する」ということを普段の私たちはしているのですね。

文章も同じ。私はやはり「書かれたものを通して筆者の主張,言っている内容や意図を把握する」という意識が重要なのだと考えております。

①一文を正確に捉える

次の文を読み,どんなシチュエーションが浮かびますか?

私の姉は泣きながら必死に逃げる弟を追いかけた。

いかがでしょうか。
では,次の二つの文ではどうですか?

①私の姉は,泣きながら必死に逃げる弟を追いかけた。
②私の姉は泣きながら,必死に逃げる弟を追いかけた。

①と②では,泣いている人が変わったのではないでしょうか。
(①では弟,②では姉)

同じ言葉を使っていながら,どうしてこの二つの文では表しているシチュエーションが変わったのでしょうか。それは,読点(,)が入ったことによって「修飾語—被修飾語の関係」や「主語—述語の関係」と呼ばれるものが変化したからですよね。つまり,

①では,
「泣きながら(修飾語)」—「逃げる(被修飾語)」・「逃げる〔泣きながら逃げる〕(修飾語/部)」—「弟を(被修飾語)」
〔下図参照〕

②は,「姉は(主語)」—「泣きながら(述語)」

の関係になっているからと言えそうです。

「修飾語—被修飾語の関係」や「主語—述語の関係」は,おそらく多くの人が小・中学生時代に学んだであろう「(口語)文法」で扱われた内容です。学んだ当時は「こんなの何の役に…」と思った人も少なくないかもしれませんが,このように「文法的な知識を活用して文構造を捉えていく」というのは,文章を読む上では欠かせない視点なんですよね。

もちろん,他にもいわゆる「語彙力」というのは欠かせませんし,それはそれとしてきちんと身につけていかなければならないものではありますが,まずは文構造の意識をしっかりと持って一文一文を捉えていく。そんなことを意識していきたいものです。

最後に,文章を読む第一歩として優先的に確認しておきたい文法事項を挙げておきます。それぞれの詳細はそのうちに。

① 主語—述語(の関係)
② 修飾語—被修飾語(の関係)
③ 指示語(名詞・連体詞・副詞等)
④ 接続語
⑤ 助詞

この「現代文読解の第一歩」シリーズ,次回は「文と文の関係を捉える」ことについて述べたいと思います。

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羽場雅希——Masaki HABA

首都圏の予備校・高校に出講。

誰よりも自身が文章と戯れることを楽しみつつ、受講生の誰もが理解でき、かつ汎用性の高い考え方を提供する授業に定評がある。